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学徒、異世界転移す。  作者: Harun
第一章「始まりの物語」
19/78

間章「次なる◼️◼️」

ーー魔王城・深奥


玉座の間に、低く響く魔力の余韻。


アゴンは、ゆっくりと指を鳴らした。


「……出でよ」


空間が、歪む。


音のない波紋が広がり、二つの“気配”がそこに立つ。


片方は、空気そのものを乱すような不快な圧。

もう片方は、まるで音の消えた空白のような静寂。


アゴンは、愉快そうに名を告げた。


「セクステット第三位」


「【不協和音ディソナンス】」


空間が、微かに軋む。


次いで、もう一つの影へと視線を移す。


「そして、第四位」


「【休止符パウゼ】」


その名が告げられた瞬間、

まるで世界の時間が一拍、止まったかのように感じられた。


ディソナンスが、低く笑う。


「……ノクターンが負けた、か」


「夢などという曖昧な舞台で遊ぶからだ」


それに対し、パウゼは何も言わない。


ただ、沈黙だけがそこにある。


アゴンは玉座に深くもたれかかり、指を組んだ。


「人の子らは、思った以上にしぶとい」


「夢を破り、恐怖を越え……ついには、我が眷属を討った」


「……面白い」


ディソナンスが、愉快そうに言う。


「ならば、壊してしまえばいい」


「心も、関係も、希望も」


「音が重なれば、必ず濁る」


その言葉に、アゴンは小さく頷いた。


「そうだ」


「だからこそ、お前たちを同時に放つ」


「【不協和音】と【休止符】」


「破壊と停止」


「動と静」


「相反する二つが揃えば――」


玉座の間に、低い笑いが響く。


「人間は、必ず“狂う”」


パウゼが、初めて口を開いた。


「……任せてください」


その声は、感情のない、無機質な響きだった。


「彼らの時間を、止めましょう」


次の瞬間、二つの気配は霧のように消える。


残されたのは、魔王ただ一人。


アゴンは、虚空を見つめながら呟いた。


「……さぁ」


「次は」


「絶望の調べを、聴かせてやろう」


――こうして、

セクステット第3位【不協和音】ディソナンス、第4位【休止符】パウゼが、動き出した。


第四位からは別格です

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