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学徒、異世界転移す。  作者: Harun
第一章「始まりの物語」
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第九話「迷いをなくして」

ーー銀の矢は、まだ制御できない


数日後。


森と草原の境目を進む一行の前に、小型魔物が姿を現す。


「来たな……」


九条が構えるより早く、天音が一歩前へ出た。


「ここは俺がやる」


零がちらりと見る。


「無理はしないでよ」


天音は小さくうなずき、右手を前へ突き出す。


「――天之(以下略)」


空気が震え、銀色の光が集束する。


キィン―――


矢が形成される。


「……いける」


天音はそう呟き、放った。


だが――


「……っ!?」


矢は魔物をかすめ、地面を跳ね、岩に激突。


ドンッ!!


土煙が舞い上がる。


「え……?」


天音は目を見開いた。


「今の……」


「フィナーレの時は、ちゃんと当たったのに……」


沈黙。


零がゆっくり口を開く。


「……あの時は、迷ってなかった」


天音「……」


「守るって決めてた」


「だから、撃てた」


その瞬間。


キィン――


再び、勝手に銀の光が集まり始める。


「え、ちょ、待て!」


「天之――いや、今は撃たないって!!」


制御不能。


銀の矢が暴走し、空を裂き――


「伏せろ!!」


ドォォン!!


遠くで爆発音。


静寂。


天音は、手を震わせながら見つめた。


「……俺」


「“使える”と思ったのに……」


九条が低く言う。


「違う」


「使えるようになったからこそ、制御が追いついてない」


零も続ける。


「フィナーレの時は、迷いゼロ」


「今は、“外したらどうしよう”って考えてる」


カノンが静かに言った。


「……それって、優しさですよね」


天音は苦笑する。


「優しさで世界が壊れたら、意味ないけどな」


「だから僕がいる」


「だから俺が止める」


「じゃあ俺は、名前を叫ぶ係で」


「「いらん」」 「いらないよ」 「いりませんよ」


焚き火が揺れる。


天音は空を見上げて、静かに言った。


「次は――」


「“天之(以下略)”を、迷わず撃てるようになる」


その時まで、この力は

まだ“未完成”なのだ。

覚悟があると、案外あっさり使えます

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