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1.異世界へ!

 冴えない高校生の小林太郎は高校からの下校の最中だった。西日に照らされてはいるものの薄暗くなった通りを1人で歩く。

 街灯はまだついておらず、住宅の塀が影を作っていた。


「はぁ、異世界行きてぇ」


 彼は独り言をつぶやいている。

 ならば行かしてやろうじゃないか。そのためにお前を生みだしたのだから!


 小林太郎はまばゆい光に包まれた。


 __


 小林太郎が目を開けると地平線まで見通せそうな草原にいた。


「どこだここ!?」


 いくら異世界に憧れる彼と言ってもどうやら一瞬で把握できるはずもない。


「絶対に日本じゃない!」


 彼は目の前に広がる景色だけで推測を立てる。ところで日本で地平線が見える場所はあるのだろうか。北海道でも無理な気がする。


「やったー!!」


 小林太郎は諸手を上げて喜んでいる。それもそのはず、彼は異世界に行くことに憧れを抱くように設定されているからだ。


「ステータス!」


 残念ながらステータスは表示しない世界だ。なぜならステータスを書いてしまうと能力に制限がかかると同時にインフレをさせにくい。

 矛盾なんてこの世界ではいくら起こしてもいいものの、ステータスを表示させない方が今後簡単そうだ。


「あれ?出ないなぁ。まぁ、いいか。次は魔法でも使ってみようか。ファイア!」


 小林太郎は叫ぶ。すると彼の目の前に大きな火柱があがった。

 ファイアは小林太郎の認識では「炎」であるから具体性に欠ける。もっと具体的にファイアランスとか、ファイアボールとか形を明言した方がいい。


「あわわわ」


 あまりに大きい火柱に小林太郎が焦ると目の前に大量の泡が生まれる。その泡によって草原に延焼した炎は鎮火した。

 地面には黒く焦げた跡が残る。


「こわぁ。でも、魔法もある。よし!じゃあ次は街を探そう。言葉が通じるかも分からないけど。フライ!」


 小林太郎の体が浮かび上がる。彼が望んでいる「フライ」は鳥が飛ぶようなものではなく、青狸が飛ぶようなものだ。


 空高くまで上昇してみるとはるか遠くに街らしき影が彼の目には映った。


「とりあえず行ってみるか」


 小林太郎は上手く体を制御して街へと向かった。

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