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不思議でお菓子な夕陽屋  作者: 響ぴあの
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夕陽屋(説明書)

 不思議で奇妙な夕陽屋というお店があるという都市伝説を知っているだろうか? そこで売っている商品は普通のものではない。そのお店は、夕方のたそがれどきに強く願った人間にしか行くことのできない大変不思議なお店だということだ。


 一例だが、人間の寿命が見えるあめ、書いたことが事実になるメモ帳、事実を消すことができる消しゴムなど奇妙で不思議な商品を取り扱っているとのことだ。ただし、全部特別な力を持った商品だということなので取り扱い注意だ。


 都市伝説のうわさでは、一見、趣のある昔ながらのレトロな店がまえらしい。店内にはお面や風車がかざられていて、縁日のような華やかさと夕暮れのさびしさが漂う店内だということだ。


 店内には過去につながる公衆電話もあるらしい。そして、奥の部屋にはひとりの人間の一生を一冊の本にしたものがずらりと並べられている人生の書庫があるらしい。不思議がいっぱいの店内は私たちが知らない世界とつながっているのかもしれない。


 店内には、中学生か高校生くらいのきれいな顔をした少年が一人いるということだ。名前は黄昏夕陽たそがれゆうひ。その少年が学生なのか、何歳なのかも今のところ不明だ。なぜ、こんなお店を開いているのか、なぜこんな不思議な商品を取り扱っているのか、謎に包まれた存在だ。よく地元にある昔ながらの商店のような存在なのかもしれない。その少年の目的は、子供たちに夢と希望を与えるためなのかもしれないし、我々に警告するためなのかもしれない。


 夕陽屋に行って幸せになった者もいれば、不幸になった者もいるということだ。お菓子を食べたからといって、体に副作用もないし、味は非常においしいとのことだ。駄菓子屋感覚で値段は安く、一般的なお菓子と同じくらいの値段で売っているそうだ。


 しかし、100円あれば不思議なお菓子をたくさん買うことができると思ったら大間違い。1度の買い物で1つしか買うことができない。しかし、過去の世界に通じる公衆電話の使用は買い物した者でも使うことは可能だということだ。その公衆電話は過去の電話番号を知っている人にしかつながらない。電話番号を知らない人や未来の世界につながることはない。


 運が良ければ何回もお店を利用することもできるといううわさなので、たそがれどきに強く願ってみると案外何度も利用できるかもしれない。


 この話はあくまで都市伝説レベルのうわさなので、本当かどうかはさだかではない。ここ最近は、店員の少年に会ったことがあるという小学生や中学生の話がインターネットや口コミでもうわさになっているらしい。うわさの力は強大だ。そして、うわさをたよりに今日もお店にたどりつく人間が現れる。


 インターネットの情報は、本当かもしれないし、嘘かもしれない。だからこそ、自身の目で確かめてみないとわからないことは世の中にはたくさんある。取り扱い商品の一部を紹介してみよう。


 寿命が延びるラムネとせんべい、罪を消す消しゴム、人間をコピーするふうせん、ともだちキャラメル、おたすけノベル、老いを遅らせるグミ、大冒険できるガム、美人グルト、ともだちチョコレート、運命の赤い糸、死んだ人と会えるミラクルキャラメル、世界で一番長生きゼリー、永遠ループドリンク、人生おきかえシール、病気をふきとばす風車、死ぬ日時を決められるエンディングノート、合格おまもり、不幸になる手紙セット……。


 ざっと挙げただけでも様々な商品を扱っている。あなたが使ってみたい商品はあっただろうか? 不思議な商品は人間のわくわくする心をくすぐったりもする。


 使い方次第で幸せになれるかもしれないが、不幸になることもあるので、夕陽屋の利用は慎重に考えたほうがいいのかもしれない。

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