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破壊神が往く  作者: 桃の妖精
第1章 邪龍と覚醒
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4

 災害と災害のぶつかり合い。

 そう形容するのが相応しい修行と言う名のシゴキをされ続けて1ヶ月が経った。

「…もう1ヶ月か…」

 日本から異世界リドルヘインへと転生したのは、メギストスと遭遇する1週間前だったのを考えれば、1ヶ月はとうに過ぎているのだが改めて自分は異世界へと転生したという実感が沸いてくる。

 ここ1ヶ月は、メギストスとの実戦と魔法についての知識を教えて貰っていた。そんな中、自分の中にもあった時空魔法についても教えて貰った。

『いいですか?時空魔法とは、この世界の五大属性の炎、水、風、土、雷。そして、そのどれにも当てはまらない光属性と闇属性があるのは理解していますね?』

「あぁ、続けてくれ。」

『では、時空魔法とは何なのか?これは、世界の理その物に干渉する属性なのです。時間の流れと空間の在り方は、必ずないといけない物です。それに干渉し、一部をねじ曲げる魔法なのです。』

「あぁ、何も無い空間にも確実にあるのは時間と空間だ。そう考えると、時間や空間は確かにないといけないと世界そのものが決めた法則かもな。」

 脳裏に、ヴァースが閉じ込められていた虚無空間(ボイド)を思い出しながらそういう。確かに、あの空間には時間と空間以外は何も無かった。

 とは言っても、時空魔法に関する知識はあっても、ヴァースがそれを行使した記憶や経験が殆ど無い為、簡単な収納空間(ストレージ)の魔法しか使えないのが現状なのだが。

『世界そのものが定めた普遍のルール…ですか。面白い考えですが、その話は一旦ここまでです。貴方が色々な魔法を習得したいと言うのなら、イメージを鍛えるのと魔力の使い方を理解するのが最短の距離です。』

「あぁ…そうだな…」

 無言で立ち上がるメギストスと、剣を構えるゼロ。余談だが、この1ヶ月でゼロも剣の使い方があがっていた。それこそ、普通は剣を握って数週間の人間が辿り着くべき姿では無いのだが、ヴァースがかつて戦った相手に居た、剣聖と呼ばれる存在との戦いの記憶を脳内で何度も何度も見返し、見様見真似だけで完璧に模倣(トレース)し、更にそこに己に合うように調整をした結果、自分の型を創り出したのであった。

 大気が震え、森がざわめき鳥たちは急いでその場を立ち去る、『巻き込まれれば死ぬ』というのを理解しているからだ。


「今日こそブチのめしてやるよ!」

『さて、この調子ではあと何ヶ月かかるでしょうね?』






 1ヶ月の殆どは、大体こう言う流れになって戦闘になる。いや、実際のところメギストスとの修行によってゼロの戦闘力はメキメキと上がっていった。それこそ、メギストスに土をつけた事は一度もないがメギストスは、『そう遠くない内に、ゼロは自分を越えるだろう』というのを直感していた。


 ゼロは気付いてないのだが、着々と強くなってるのは確かにゼロの成長もあるが、何より大きいのは『破壊神の力』が段々と眠りから醒めているからである。

 本来、ヴァースを繋いでいた淵源の鎖と神封じの杭は、ただ動けなくさせるだけのものでは無い。淵源の鎖は、ヴァースの奥底にある権能等の破壊神としての力を封じ、神封じの杭は、ヴァースの底知れない身体能力や肉体に宿る権能を封じ込めていた。しかし、今のゼロにはそれがない。故に、深い眠りに堕ちていた『破壊神』が目覚めている。ここ最近の、ゼロが時折見せる人外じみた動きや超直感(ハイパーセンス)等も本来の力が復活しつつある影響である。当の本人は気付いてないのだが。


「だー!今日も勝てなかった!」

『ふふ…しかし恐ろしいスピードで強くなっていますよ、貴方は。』

「よしてくれ、今しがた自分を負かした奴にそんな事言われても嫌味にしか聞こえない。」

『おや、心からの賞賛なのですがね。…ところで、少し大事な話があるのですが。』


 唐突にメギストスは話の流れを変える。その瞳には、相手の真意を見抜く様でいて、暖かい眼差しが向けられる。

 既に眠っているメギストスの子供の龍─レミアを起こさぬ様に、押し殺した声でメギストスはその一言を放つ。


『貴方は、一体何者なのですか?』

「…?何者なのですか?か…」


 おそらく、メギストスが言っているのは俺の種族や正体だろう。当たり前といえば当たり前だが、にしても…どうやって誤魔化したものか…

 すると、メギストスは続け様に二言目を放つ。


『もしや貴方は、いわゆる神という存在なのですか?』

(……!?)


 メギストスの言う神とは、紛れもなく破壊神ヴァースやかつて存在した神々の事を言っているのだろう。メギストスが神話の時代より生き抜いていた古龍だと言う事を知っていただけに、ゼロはどう誤魔化しても無駄だと判断し、観念して白状する。


「いいや。俺は人間だ。正確に言うと半神半人(デミゴッド)だから半分だけは、確かに神かもしれんがな。」

『ほう?その話詳しく聞いても?』


 そこで、ゼロはメギストスに自分が異世界より転生した転生者だと言うこと。その際に、破壊神ヴァースと出会いその力を受け継いだ事。そして、今はアテもなく放浪をしている事を話した。


『ふむ…異世界からの異邦人…いや転生者とでも言うべきでしょうか…』

「信じられないなら信じなくてもいいんだぞ?元々他人からすれば荒唐無稽な話だからな。」

『いえ、信じますよ。永い生を持つからこそ、この世界には想像し得ない事があるなど何度も経験しましたよ。それこそ、転生者や異世界からの客人等も。』


 メギストスの口から出た言葉に驚愕するゼロ。


「異世界からの客人!?」

『おや、知りませんでしたか。度々異世界からやってくる者達が居るそうですよ。それよりも、私にとっての問題はその様な些事ではありません。よりにもよって破壊神との融合とは…』

「なにか不味いのか?」


 ゼロからしてみれば、よく分からないが虚無空間(ボイド)から脱出する手助けをしてくれ、尚且つ転生させて第二の生を味あわせてくれる上にやけに面倒見がいい一面などから、決して悪人…いや悪神には見えなかった。


『えぇ…貴方はかの破壊神と融合したのであれば、記憶等も継承されている筈です。であれば、およそ3000年前の記憶を探りなさい。』

「3000年前?何かあったのか?」

『3000年前に何が起きたか…それは…』


 重苦しい雰囲気の中、やがてメギストスは口を開く。


『破壊神とその()()()()()の戦争…』


終焉戦争(ラグナロク)です。』

インフレし過ぎな気がしてきて恐ろしい…

3話を掲載するの忘れてましたorz…

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