第14話『家族全員ギルドに入会しました。』
こんにちは川中 春夏です。
今回、サラッと敵を倒してしまったので、いつか余談として投稿しようと思います。
いつかね!!
〔倒せたのか…フゥ。〕
一時はどうなる事かと思ったわ〜
本当に倒せたかは分からないが、一様ドロップ品である『宝箱』があるため倒したことになるだろう。
ギルドの人から教えてもらったが、ダンジョンモンスターは倒すと『宝箱』と言うドロップ品をドロップするらしい。
そのため、今回倒した『スターベーションオーク』と『スターベーションスライム』はダンジョンで発生した魔物がダンジョンの外に出てきた事になる証拠でもある。
倒した魔物の強さによって『宝箱』の外見や中身のレア度が変わってくるが、今回倒したモンスターは『幻獣魔種』のランクに当たるため、相当すごいものが入っているはずである。
ここで問題になるのが、誰が倒したかだ。
もちろんギルドの掟で『倒した魔物のドロップ品や素材などは倒した冒険者が所有権を持つため、所有者の許可なく所持又は売却などを行った場合はそれ相応の罰がギルドから課せられます。』
この様な掟があったとしても、奇襲や強奪などの行為は一向に減らないらしい。
そのため今回の場合はその、『奪い合い』になる可能性が十分に考えられた。
ゴールドランク以上の魔法使いでも100人は下らないため、その全員が敵に向かって炎魔法を連射していたので、誰の炎魔法によって倒されたのか分からない。又、エラムやパーラが倒した可能性だって考えられるわけだから俺も問題に巻き込まれそう…
そんなことを考えていたら1人の魔法使いの男が話しかけてきた。
「なぁ、お前達は何しにここに来たんだ?魔法を撃ったりもしてなかったし、ただただ見物に来ただけのように見えたのだが…」
と男が俺達を批判すると同時に、ほかの人も一斉にこちらに目を向けた。
あ…俺らってそんな風に見られてたのか…
『えっと…副ギルド長から「お前達も行け!!」と言われたので来たのですが…』
「副ギルド長の命令で来たのか…そうだったのか、批判したことは謝るが出来れば見てるだけではなく戦って欲しい。」
『あの、お兄ちゃんは戦ってました。
正確には、戦わせていました。
それとお兄ちゃんを卑下するのはやめて貰っていいですか?』
俺が反応するよりも前に舞奈が反論に出ていた。
『戦わせていた?一体誰に?』
すると、戦いが終わって休んでいたエラムとパーラが戻ってきた。
〔どうされました?柊真〕
〔いや、俺らが戦っていなかったから批判されてたとこだよ。〕
〔批判ですか…〕
エラムが俺の頭の上に乗ったところで、話しかけてきた男性が、「エンジェルスライムだと!?」と驚いていたが、それ、間違ってますよ〜。
あと、エラムさんの機嫌が悪くなるから間違えるのやめてもらってもいいですかね?
『えっと、このスライムは「エンジェルスライム」ではなくて、「フェアリースライム」です。』
そう言うと男の人は、もっと驚いたようで口をあんぐり開けていた。
すると、俺の後ろにいた女性が気になったようで「そちらの方は?」と聞いてきた。
『友達ですよ。故郷から逃げて来た身の者で、偶然この街で出会ったのでしばらく一緒に行動しようかな、と思いまして。』
パーラも状況を分ってくれたようで、うんうんと頷いてくれていた。
「そ、そうか。しかし「フェアリースライム」を従魔にしているのか…なかなか凄い冒険者だったのだな。批判してしまった事、本当にすまなかった…」
『いえいえ、俺達も魔法とか使えればよかったんですがね…』
「もう一ついいか?」
『はい、どうぞ。』
「君たちは家族なのか?いや、随分と顔が似ていたものでな…」
『はい、家族ですよ。』
「そうか、家族全員で緊急依頼の現場に来るなんてな…お母様とお父様は、どのギルドに所属中ですか?」
『母さん達はなにも-------』
『私は、錬金術のギルドに仮所属しています。昔から、研究等には目がないものですからどうしても錬金術興味があったため、所属したかったので無理を言って入会金を後払いにしてもらい、仮所属です。』
『俺は、鍛冶ギルドに所属している。1回もやった事ないが「見込みがある。こい!!」と言われて、強引にギルド内で「このハンマーで剣を作ってみろ。」と言われたので、剣の作り方も分からない状態で適当に叩いたら、なぜか「なんだお前!?こんな剣作れるのか!?これは凄い…」と言われ、所属することになりました。』
えぇー!!そんな話聞いてない!
父も母もギルドに入ったのかよ!
まぁ、それは置いといてと…
『それで、誰がこのドロップ品の所有権を有するのですか?』
「それについてだが、それはこちらが受け取ろう。」
と西門の方から歩いてくる小太りの髭がくるくるっとしていて、その両サイドには騎士がついていた。
「私は、この街の魔法学校の校長である「ヒューズ・ガーデラ」と申します。以後お見知りおきを…」
と、彼はニヤリと笑った。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次回で…