第10話『異世界に来て、休息があまりない。』
こんにちは川中 春夏秋です。
いや〜かなり更新が遅れてしまいました。
本当にすみません。
現実が忙しかったんです…
家までの道を急いで帰っていると、突然物陰から何かが飛び出してきました。
〔気をつけてください。〕
エラムが念力で注意を促してきた。
…
『襲ってこないな…
まず、姿が見えない。どこかに消えたのか?』
〔いえ、まだこの近くにいます。ですが、敵かわからないため、こちらから動くのは難しいです。〕
確かに…もし、一般市民だったら殺人の罪で大変なことになりそうだし…
かと言って、放って置いていても、向こうから攻撃を仕掛けてくる可能性も十分に考えられるため、先手を取られる。
(まぁ、エラムとパーラがいればほぼ問題なさそうだけどな。)
ピーーーーーー
突然鳴き声をあげながら襲いかかってきた。
姿は、もものような体にピンク色の鉱物のようなものが下半分を覆っていて、上半分には葉っぱの冠を被っている。
体全体を水の膜が覆っていて、核のような存在だった。
〔あれは、中等魔物、『プカ』そこまで強くない魔物ですが、体を覆っている水の膜は、魔法攻撃がほぼ通らず、物理攻撃も通しにくいという、防御がとても硬い魔物です。
攻撃は、頭の部分から鉱石を生成し、槍のように投げて攻撃します。大体、大木三本は貫通します。〕
まじかよ…
なんでこうも、強い魔物ばっかに狙われるのかね…
だが、一匹だけならば対処は容易であっただろうが、鳴き声を聞いて四方八方から飛び出してきていた。 四面楚歌である。
『おいおいおい、結構やばいんじゃないか!?
少なくても200はいるぞ!?エラム!パーラ!なんとかできるか?』
従魔と眷族に完全に任せたが、今の俺らじゃ、武器も防具もない状態だし、魔法なんかもってのほか。
今は、任せるしか方法がない。
〔わかりました〕
〔わかったぁ〜〕
と、返事をしてから、
〔『水弾』〕
と、エラムの体から無数の触手が伸び、四方八方にほぼ弾丸と同じ威力のある、水の玉が飛んでいく。
水の膜で覆われているのにもかかわらず、水の膜の中にいる『プカ』の体に穴が空いていた。
相変わらず、とんでもない威力だな…
父と母に当たらなくてよかった…
〔『プラズマ』〕
と、パーラの手から、雷魔法であろう攻撃が繰り出された。
四方八方に予想不可能な角度からの攻撃をする、パーラの雷魔法は、水の膜を紙のように簡単に切り刻んでいく。
そして、膜の中ににいる『プカ』も切り刻まれていた。
うん……予想通り。
パーラはほぼ伝説の生き物だから、そんぐらいたやすいよな…
目の前で見せられた、圧倒的な力の前に『プカ』の軍団は、そそくさと林の中に逃げていった。
☆★☆★☆★☆
一段落ついて、無事に家に帰ることが出来た。
道中に、パーラに『さっき使った魔法って雷魔法だろ?』と聞いてみたところ、『違うよぉ〜あれは、土の魔法と風の魔法を使って〜…』
と、かなり長い説明だったが、要するに、まず雷魔法では、あそこまでの予想不可能な攻撃はできないそうだ。しかし、それに近いことはできるらしいが、相当な魔法使いならできないこともないらしいが、パーラの使った場合の魔法と魔法使いが使う場合の魔法には、かなり劣勢が別れるらしい。
例えば、自分の立っている位置から60センチ離れているところに的があるとしよう。
魔法使いの場合、的まで雷魔法をパーラと同じように放ったとして、ジグザグに曲がる回数が、60回に対して、パーラが放った場合、300回ジグザグに曲がるらしい。
そのため、細かく曲げることができ、予想していた場所とは全く違う場所に当てることが出来るそうだ。
さて、なぜ風魔法と土魔法で雷魔法のようなものができたのかと言うと、まず、土魔法で微粒子レベルの土を生成し、それを風魔法で高速でぶつけ合うことにより、熱と静電気を生成しているとの事。
そのため、さっきの『プカ』の膜を熱で蒸発させ、静電気で切り刻んでいたそうだ。
どんだけ、頭を使う合成魔法だよ…
すごすぎる… もう驚嘆するしかないな…アハハ…
それから、家に帰って速攻寝た。 もちろん硬い床でな!
早く布団とか欲しい…グスン。
☆★☆★☆★☆
次の日の朝、街に行き、父と母は、母の方がもう少し調べたいらしく、図書館の方に走っていった母を追いかけ父が走っていった。俺と舞奈は、エラムとパーラを連れて、早速依頼を受けようと思い、ギルドに行くと、ギルドの受け付けにいるお嬢さんが、こちらに気づき声をかけてきた。
「あの、すみません。シューマ様とマーナ様でしたよね?」
『はい、そうですが、何か用でも?』
と、先に気づいた俺が返事をする。
「すみません。昨日は『フェアリースライム騒動』が、ギルド内でありまして、私も少し動揺しておりましたので、忘れてしまっていたのですが、貴方様方の能力値を測定しなければなりません。」
なるほど、能力値か…気になるな…
『大丈夫ですよ。僕達は何をすればいいのでしょうか?』
「それでは、あちらのお部屋に。」
エラムとパーラは2人で待ってもらうことに。
と、案内された部屋にはソファーが向かい合わせに置いてあり、間にテーブルがあるだけの部屋だった。
「それでは、能力値を測るにあたりまして、この魔石、聖石、ただの石をもっていただきます。
この魔石が壊れた場合は、聖力が特性であり、聖石が壊れた場合は、魔力が特性になります。
ただの石をもってもらった際に、なにか変化があれば、その時の石の状態を見て判断させていただきます。」
なるほど、至ってシンプルだな。
確かに、魔力と聖力は对になっているため、それぞれの性質が強ければ、その反対の性質を持った石が壊れるわけだ。
ん?でも邪力はどうやって測るんだ?
確か、基本は邪力、聖力、魔力の3つじゃなかったか?
『あの、質問いいですか?』
「はい、なんでしょうか?」
『邪力って測定しないんですか?』
「邪力ですか…邪力についてはわからないことが多すぎるため、測定が出来ないんです。」
『なるほど、わかりました。』
「では、早速こちらの石を握ってみてください。」
最初に出されたのは、魔石であった。
赤黒く、結晶の中み黒いモヤのようなものがグルグルしていた。
舞奈は初め、抵抗があったらしいが、俺が握ったのを見ると、我慢して握っていた。
ピキピキッ
と、握っていた魔石が、俺と舞奈両方が割れた。
「シューマ様とマーナ様、魔石は壊れましたね。
では、聖石をどうぞ。」
聖石は、魔石と違い神々しいと言える石であった。
白く、結晶の中に光の玉のようなものが入っていて、発光している。
舞奈も俺も、初めて見る聖石に目を奪われていたが、早く終わらせて、依頼を受けなければいけないことを思い出し、握る。
ピキピキッ
と、握っていた聖石も割れた。
これには、ギルドのお嬢さんも驚いていた。
「なるほど、シューマ様もマーナ様も、魔力と聖石は常人以上であることがわかりました。」
俺らは常人以上か…
まぁそうだわな。
特性を調べる石で片方割れるだけで、それはもう常人以上ってことになるんだよな。
俺らはそれが両方割れたわけだから、魔力も聖力も常人以上なわけか。
「なかなか、いないんですよ?両方が常人以上の能力値なんて人は…」
『そうなんですか…ちょっと嬉しいです。』
「それでは、最後にこの石をお願いします。
あ、忘れていたんですが、その石は魔力も聖力も流すことはできません。
そのため、その石に何か変化があれば、それはすごいことです。」
と、ただの石を渡され、今までと同じことをしたら、手の中にあった石の感触が完全にきえた。
舞奈の場合は、石が、赤くなったリ青くなったり、色々な色で光り始めた。
2人のただの石が変化したことを目の当たりにしていた、ギルドのお嬢さんが目を見開いて、風の如く部屋の外に誰かを呼びに行ったようだった。
戻ってきて、ギルドのお嬢さんの後ろにいたのは、顔の真ん中にバツ型の古傷があり、巨体の男がたっていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
更新遅れてしまいました。
次は明日更新します。
では、次のお話で…