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家族パーティー最強説!! 〜異世界のんびり無双譚〜  作者: 川中 春夏
第一章『無双』
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第41話『入学式』

こんにちは。川中春夏です。

久しぶりの投稿です。

 ぞろぞろと、案内人を正面にクラスごとに別れて適当に並んでいく。そして、最初に並び終わったBクラスは先に始業式の会場である、大ホールに移動する。

『そういえば、この学校って偏差値どれくらいだと思う?』

 一番後ろに舞奈と柊真は並び、前に並んでいる人達を見て疑問を口にする。

『うーん。わかんないけど、入学できたんだしいいんじゃないの?』

 少し困った顔のまま返答する舞奈。確かにその通りである。

 ここは日本とは違うため、どんな勉強をしてどんな入試があり、どんな学校なのかもわかっていない状況の中偏差値は?と聞かれても答えられるはずがない。入学できたから一安心という意味では確かにそうだろう。試験や勉強、なんにもせずに入ったからずるい気もするが……

『そうだね。あーあ、どんな感じの勉強なんだろうなー』

 頭の後ろで腕を組み、気だるそうにごちる柊真の横では、早く魔法を習いたいという気持ちが大きくなっていく舞奈。2人とも余裕そうな表情であるが、この学校は―――――

「はい、到着しました。ここが入学式が行われる会場の大ホールがある、デュラオス魔法学校付属の『デュラオス大聖堂』です。」

 案内人に連れてこられたのは、天使や神々が彫られた壁、オレンジ色のステンドガラスでおおわれた10メートルはある天井、ロウソク立てや何かを模した石像が壁際に並べられている巨大な聖堂だった。何故こんなにも天井が高いのか気にはなったが、歴史的な建造物だからなにか理由がるのだろう。と解釈する。

 それと、もう一つ気になるのが、入学式だと言うのに全く人がいないことだった。

「では、2人1組で進んでいただきます。奥には学長が居りますので、そこまでたどり着けば入学式開始でございます。」

 綺麗なお辞儀をして、一歩下ががる案内人を見た柊真は違和感を感じていた。それも、とてつもなく嫌な予感が……

 案内人の言葉通りに最初の2人が奥に見える学長らしき人物をめざして歩き出した。それもつかの間、男の方は意識を失ってその場に崩れ落ちた。それから直ぐに女の方も崩れ落ち、入口から5メートル進んだあたりで2人とも意識を失った。

「おい、何だこれは?どうなってんだよ案内人!!」

 次に進む予定の2人組が、目の前で起きた光景を理解できず、男が案内人に問いただす。

「なんで普通に歩いてただけの2人が倒れてんだよ!!」

「先程も申しましたように、()()()()()()式が始まります。たどり着けなければ、それだけの能力だったと判断させていただきます。」

 案内人は無表情のまま質問に応え、一礼する。それはもはや機械的なものに見えてくるほど洗礼された行いだった。

「あぁ?俺らは受かったからここにいるんだろ?おかしいじゃねぇか」

 男の方はまだ納得していないらしく、その強面を歪め、わからないという意思を顔に出して疑問を口にする。

 だが、わかっていないのはその男のみらしく、周りの人達は通路の先を見据え固唾を飲んだ。

 ペアの女の方も険しい表情で通路の先を見ていた。

「後ろが詰まっておりますのでどうぞ先にお進み下さい。」

 このままではらちがあかないとおもったのか、案内人は男から出た疑問には答えず、無理やり通路を進ませる。

「おい、なんでだって聞いてんだろ!聞いてんのか!」

 体格差が明らかなはずなのに、男は全く抵抗出来ずに通路を押し進められる。

 女の方は自分の意思で一歩一歩歩いているが、その先に何があるのかわからない不安と恐怖を感じている様子だった。

 そして、先に歩いていった組が意識を失った場所に近づくと、案内人が腕に力を入れ男を突き飛ばす。

 案内人とは对になっている体格のはずの男をよろけさせるほど突き飛ばし、境界線があるのか、それ以上は進もうとしなかった。

「私はこれ以上進むことはできません。ですので、抵抗されると力技で進ませる他なくなります。できれば自らの意思で進んでいただけると助かります。」

 顔は相変わらず無表情のまま、もはやその表情に恐怖を感ずつつある。

 突き飛ばされた男は、諦めた表情で「ッチ」と舌打ちをして通路を進んでいた。ペアの女の方も男と一緒に歩いていった。

「それでは次の方どうぞ」

 案内人が誘導するがもはやその言葉は脅迫と同じに聞こえる。この魔法学校はどんな風に周りから見られているか聞いたことはあったが、それはただの妄想に過ぎなかった。

 一連の騒動を見ていた柊真と舞奈は、

「うわ……」と柊真

「え……」と舞奈

 2人とも驚きを隠せず言葉を漏らし、同時に恐怖を抱いていた。


 ついに、柊真と舞奈の2人だけになり、進む番となった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

また次回で……

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