第38話『ダンジョン探索6』
こんにちは。川中春夏です。
投稿遅れました…m(*_ _)m
そんな最悪なことを考えないように、確かここら辺だったはず…とブツブツ呟きながら辺りを探す。
そして、王冠と共にして置かれていたネックレスを発見。そのネックレスをエラムに見せてみると、大きく目を見開いて驚いていた。
〔これですよ!!これが『エルフの涙』です!!〕
『へぇ〜これがそうなのか…あんまりすごいものには見えないんだけど…』
日本にいた時のダイヤのネックレスとあまり変わらないような見た目であり、これを持ち帰って着けていたら高級ネックレスをつけているようにしか見えないだろう…
『これが複製できないようには見えないんだけどな〜』
あまりにも普通すぎる見た目に逆に驚き、一人言葉をこぼす。
「お、こんな所にいたのか。随分探したぞ。」
脚を食べ終わったのか、ガルントさんは5人を連れて俺たちと合流した。
「…見つけたのか『エルフの涙』を…」
柊真が手に持っているネックレスを見ながら、ガルントさんは少し微笑んでいた。
それもそうだろう、世界に一つしかないアイテムを前に嬉しくならないはずがない。
『ダイヤのネックレスみたいだな…父さんにも見せてくれ。』
『私もみたい!!』
父さんと舞奈はこのネックレスをかなり気に入ったらしく、目を輝かせながら見ていた。
そして舞奈の手から父さんの手に渡った瞬間、父さんの目が虚ろになったように見えた。さらに、ネックレスを持った瞬間、なにかブツブツと小言を言いながらネックレスを見ている。
『父さん?』
さすがに異変を感じた俺は、呼びかけてみるも無反応。
その光景を見ていた他の五人もさすがに異変に気がついたらしく、体を揺すったり、さらに呼びかけてみたりしていた。
『ん…あぁ、どうした?何かあったのか?』
ようやく気がついたらしく、返事を返してくる。
『ずっと何かブツブツと呟いてたし、ネックレスを虚ろな目でじっと見てたから…』
『あ、それなんだけど、何故かわからないが、このネックレス…作り方がわかったんだよ。』
は?
その場にいた全員が意表をつかれたように驚きを隠せなかった。
『いやな…何故かわからないが、このネックレスを触った瞬間頭の中にレシピみたいなのがバーッと…』
「そんなはずはない!!今までも数々の有名な鍛治師達が挑戦してきたが、完成することは無かったはず……」
父さんの発言を聞いて、異論を唱えたのはガルントさんだった。その口調からは、悔しさのようなものを感じた。
「…少し昔の話だが、私がかつて住んでいた村に突如謎の感染症が流行して、日に日に感染症は広がっていき、死者もどんどん増えるばかりだった。その村には村人を救える人はおらず、私も全力で助けようとした…だが、私も魔法を酷使しすぎてついに魔力切れで倒れてしまった…
当時の私は、『エルフの涙』の存在を知っていたが、所持していたのは、植民地として扱われていたこの村の領主の国王である。もちろん、庶民にそんな宝を渡す訳もなく、結局自分の命も魔力に変換して治療に当たったが、助かることは無く、無力なまま全滅したのだ……」
ガルントさんの過去を知った俺達は、返す言葉が見つからず、下を向いて重い顔をするのみだった……
『それは、申し訳ないことを言ってしまった…すまない』
父さんは頭を下げ、謝罪する。
ガルントさんの過去を知った俺達は、次の言葉に詰まっていた。
しばらくの沈黙の後、ガルントさんが口を開き、「すまない、重い話をしてしまったな…ところで、どうやって『エルフの涙』を造るのだ?」と一言。
『それら諸々合わせて地上戻ってから話さない?』父さんとガルントさんの話に割り込んで聞く。いつまでもここに居たって何があるかわからず、不安だったからだ。
「……そうだな、ここに長居する理由もないしね、あそこ魔方陣に乗れば地上に戻れるよ」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
また次回で……




