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家族パーティー最強説!! 〜異世界のんびり無双譚〜  作者: 川中 春夏
第一章『無双』
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第37話『ダンジョン探索5』

こんにちは。川中春夏です。

やっとダンジョン探索終わりそうです汗

 メラーケンの解体が終わり、ボス部屋の少し奥に行ったところのそれはあった。ボスを倒したものにのみ入れる『宝物庫』だった。

 入って最初に目に入ったのは、金貨の山だった。何段にも積み重ねられた金貨を見るのは、余程裕福な貴族や王族だろうか…。とても全て持って帰れる量ではなかった。

 今は、特にお金に困ってる訳でも無い柊真達は、それ以外にもある宝石類、剣や盾などの装備類、装飾品などなど様々なものが転がっていた。

『すげぇ…こんな所があるのか……』

「まぁ、感心するのも無理はないな。今回のボスは私一人で相手するには少し分が悪かった可能性があるからね…このぐらいの報酬があってもいいんじゃないかな?」

 少し悔しそうな顔をしながらも、先程倒したばかりのメラーケンの脚を炎魔法で焼いている……

『その、メラーケンの脚は食べれるんですか?』

 興味を持った舞奈は恐る恐る聞いていた。

「あぁ、もちろん。高級料理に使われることだってあるからね。」

 そう言いながら焼けたメラーケンの脚を一本渡していた。

『あの…私たちも食べてみたいのですが…』

 舞奈とガルントさんの話を盗み聞きしていた父さんと母さんは、申し訳なさそうに頼んでいた。別に悪気があって盗み聞きしていた訳では無いだろうが、多分、「高級料理にも使われる」と言うフレーズが引っかかったのだろう。

「いいですよ。どうぞ」

 さっき倒したばっかりのイカの脚を4人が食べてる……しかも宝物庫の中で……

『おいおい、お宝を目に前にしてなんで脚食べてんだよ……』

 呆れた顔をして、溜息をつきながら首を横に振る。

 脚を食べる葦達のことは置いておいて、一人で宝物庫の探索をしていると、不意に頭が重たくなった。

 〔やっぱり落ちつきます……この場所は〕

 ひんやりとしていて、プルプルとプニプニを合わせ持ったエラムだった。

『どうした?』

 エラムの謎めいた発言の意味を求めるように、問いかける。

 〔あ、いえ、特に意味は無いのですが、何故か柊真の頭の上が心地いいなと……〕

 そんな何気ないエラムの言葉に、柊真は驚きを隠せなかった。

 少し驚いていると、エラムから修正の声が入った。

 〔別に変な意味とかは無いですからね。〕

『いや別にそんな風には思っていなかったが、いつも冷静で俺らの中のリーダー的存在だったから……そんな褒め言葉を呟くとは思ってもみなくてさ』

 〔私だって誰かを褒めることくらいありますよ〕

『すまねぇな。あんまり聞かないもんでさ、珍しいと思ったんだよ』

 〔まぁいいです。それよりここに『エルフの涙』というアイテムがあるはずですが……〕

 あたりをキョロキョロしながら訊いてくる。

『その『エルフの涙』ってのは何なんだ?』

 最近この世界に来たばかりの柊真には『エルフの涙』と言うアイテムがどういった物なのか分かるわけもなかった。しかし、ガルントさんやエラムが探す程の物ってことは、相当すごいものなのかもしれない。と期待しての質問である。

 〔そうですね…簡単に言えば、魔法能力が全般的に向上する装備品ですね。誰が造ったのか、どうやって造ったのか、それら全て不明のアイテムです。〕

 魔法能力が強化される装備品か……舞奈向きのアイテムだな……

 〔付け加えて、普通の武器ならば複製が可能ですが、このアイテムに関しては複製が出来ず、さらに世界に一つしかない代物であるため、このアイテムを持っているだけで戦争になりかねません。それぐらい価値の高く、魔法能力を上げる装備の中では群を抜いて強いですから、全世界の人が欲しがるものなのです。〕

 そんなに強い装備品がなんでダンジョンの中にあって、何故このダンジョンには俺たちしか入ってないんだ?

 そんなに高価なものだったら、何百人単位でこのダンジョンを攻略しに来てもおかしくないはずなのに……何故誰もいなかった?

 柊真は不審に思いつつも、『エルフの涙』の捜索を再開する。

『それで、それはどんな形なんだ?』

 〔私もあまりよくは知らないのですが、しずく型の宝石がいくつも散りばめられているペンダントだったはずです。〕

『ペンダントで……宝石がしずく型か……ん?それってさっき……』

 柊真は独り言を漏らし、思い当たる節があるのか、小走りで探しに行った。もちろん頭に乗っているエラムと共に 。

 ある程度走ったあたりで徐々にスピードを落としていく。目的地としていた場所に到着し、呼吸を整えながら慎重に『エルフの涙』を探していく。

 もし、当たったり踏んだりして壊してしまえば、どれだけの仕打ちが待っていることだろうか……

ここまで読んでいただきありがとうございました。

また次回で…

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