第31話『ステータス』
こんにちは川中春夏です。
長めで、序章をぬけだせませんでした……
次回には!
今は、能力値の再検査のために副ギルド長とギルドの役員の青年と一緒にいつもの部屋にいている…
今回はエラムとパーラも一緒である。
いつもの部屋と言っても俺と舞奈と母さん達が能力検査の時に使わせてもらった部屋だ。
「では早速始めましょうか。」
青年が話を切り出す。
「今回はギルド長もおられますが、さきほどお呼びしに部屋に行ったところまだ書類の片付けが終わっていないらしく、もう少ししてから来るそうです。」
『わかりました。』
「あ、それと、マーナ様とシューマ様の魔法学校の入学が決定致しました。
お母様の入会金につきましては支払っておきましたので、後ほど錬金術ギルドによっていただき、ギルドカードを受け取ってください。」
『『ありがとうございます。』』
『あ、ありがとうございま……ん?
今俺の名前も呼びました?』
「はい、マーナ様のみの入学をお願いしたのですが、魔法学校の校長様から是非と、学校側からのお願いで入学することが決定したのですが、もちろんシューマ様に何も伝えていないので、まだ『仮入学決定』ということになっております。
そのため、シューマ様が望まれないのであれば取り消すことが可能ですが、どうされますか?」
…まじか………どうしようかな…
正直、魔法が打てたら自分も身も守れるし、エラム達の援護も出来そうだな……よし、入学してみるか。
『是非入学させてください。』
「そうですか、ならそう伝えておきます。
あ、もうひとつ言い忘れておりました。
お母様とお父様はそれぞれのギルドで『適任検定試験』というものを受けてもらうことになります。
この試験では、どれだけ今いるギルドに適しているかが分かる試験です。
例えば、鍛治ギルドの場合、まずお題を出されて、そのお題のクリア率によって自分のギルド内でのランクが決まります。しかし、あまりにクリア率が悪い場合は『不適任』とみなされ、ギルドを退会することになります。」
『それは、難しいですか?』
父さんは、落ち着いた顔で聞いていた。
「いえ、どのランクに適任かを調べるだけなので、そこまで難しくはないかと…」
『それはいつなんですか?』
「シューマ様とマーナ様の魔法学校入学式と同じ日、つまり、一週間後の朝方からです。」
『なるほど…分かりました。』
母さんと父さんは顔を見合わせてから、何かを話して、2人で納得したようだった。
『俺から質問いいですか?』
「はい、なんでしょうか?」
『魔法学校に入学してからエラムとパーラも一緒じゃダメですか?
エラムは従魔ですし、パーラ1人置いておくのも…と思いまして。』
「なるほど…その件も学校長に話して許可がいただけたのなら、通達致します。」
『わかりました。ありがとうございます。』
「それでは、本題に入りましょうか。」
さっき、隣にいる青年が話に入ろうとしていたけど、なんか長い話になっちゃったな…
でも、魔法学校に入る事になっちゃったけど、なんで俺はあの校長さんに推薦してもらえたのだろうか…うーん、わからない…
「それでは、この前使った石とは違い、その上のランクの石で検査をさせていただきます。
それでは、まず魔力の検査からしましょう。」
そう言われ渡されたのは、前回の石と見た目は全く変わりはないが、中の光がかなり強くなっている聖石だった。
まず最初に検査することになったのは、舞奈だった。
聖石を握り、しばらくしてから掌を見てみると、聖石が粉々にまで粉砕されていた…
「「…………」」
『あ、えっとー……すみません、割れてしまいました……』
舞奈は、前回よりも高価な石を一瞬にして割ってしまったため、責任を感じているのだろう……
「「…………」」
しかし、副ギルド長と青年は目の前で起きたことの情報整理ができていないのか、一点を見つめたまま固まってしまっている。
『あのー大丈夫ですか?』
反応がなかったためもう一度声をかけると、ハッとした顔で…
「「……割れてる……」」
と一言。
「こ、こ、こんな事が起きるなんて……今すぐにギルド長を呼んできます!」
青年はそう言ってドアを破壊する勢いで開け、目にも止まらぬ速さで走っていく……
一体何がそんなに過剰になるのかわかっていない舞奈と母さん達に、俺の口から今の現状のことを詳しく話してあげた。
話している間に、廊下の方で声が聞こえる。多分ギルド長と青年だろう。
そして、俺たちの前に現れたのは……小学生ぐらいの身長で、髪がサボテンのようになっている、ちょび髭を生やした人だった。
☆★☆★☆★☆
「なんだよー騒がしいなーまだ書類の整理が終わってないんだよ…今日中に書き終わらないとまた連盟の方から怒られるから、先にそっちを終わらせてからでもいいでしょ。」
見た目は小学生だが、喋り方は高校生ぐらいの軽い感じで、頭にニット帽のようなものを付けており、腰に二本の剣が備わっていて、胸にはギルド長の証だろうか、星型のバッチが光っていた。
「それよりも重大なことなんです!いいから早くこれを見てください。」
「ん?……なんてこったい……こんなことがあるなんてな……」
テーブルの上には粉々になり、上に光魔法だろうか、ガラスの箱の中に白い光を放つ何かの光を反射してキラキラ光っている聖石があった。
「これを握った奴は誰だ?」
『は、はい…』
「まさか、本当なのか?」
『はい……』
「これは凄い…久しぶりにこんなに馬鹿げた魔力の持ち主を見たのもだ……」
そんなことを言いながら、自分のちょび髭を触っている。
「他の奴らも検査をしろ」
ギルド長に気圧され、3人とも聖石を握る…
ピキピキッと音を立てて3人とも握っていた聖石が割れた。
「こんな事が目の前で起こってるなんて
な…ハハッ…また整理しなきゃいけない書類が増えたぜ…」
「つ、次に魔石を握っていただきます…」
渡されたのは、前回測った時の魔石とはかなり違い、中の黒いモヤがこうなっている…
そして、4人全員一斉に握る。
ピキピキッと4人とも握っていた魔石が割れた。
「これは本当に書類整理どころではなかったな…」
「ギルド長…これは現実なのでしょうか…」
俺たち4人とも、魔力も聖力も上位の魔石や聖石では測れないほどの馬鹿げたものを持っている一家だった。
だが、俺がガルントさんのところで測った時、魔石は割れなかったのになんで今回は割れたんだろうか…
まぁ、ガルントさんに聞いて見たらわかるかもしれないから、考えないでおこう。
「お前達は何もんなんだよ…4人全員能力値250以上の測定不能…ここのギルドじゃAランク、つまりプラチナランクに当たる能力値だ。」
「まさか、なりたての冒険者の中にこんなにすごい人達がいるとは…」
「この事をどう書類に書いていいやら…連盟が驚くぞ…」
そこまで驚くことなのか…
でも、250の能力値って言われても全然強いって感じがしないな…
と、悩んだ顔をしているとギルド長が「どうかしたのか?」と聞いてきた。
『いや、能力値250以上の値がそんなに凄いのかなよ思いまして…』
「確かに、250という数値はそこまで高くないような感じがするのは分からなくもないが、君たちはまだなりたての冒険者であるため、まだまだレベルアップできる。
そのレベルアップの時にレベル+その能力値が加わるから、能力値が大きければ大きいほど、レベルが上がった時の成長度が大きいんだ。
俺でも190なのによ…
あ、そういえばお前達のレベルは計ったのか?」
「い、いえ、能力値のみしかまだ計っておりません…」
「そうか、なら今計ってしまうか…お前達も今のレベルがどんぐらいなのか知りたくはないか?」
レベルか…そういえば全然気にしてなかったな…というか頭からすっぽり抜けてたな…
でもでも、結構パーラたちが敵を倒してくれてたし、5レベルぐらい上がってないかな?
『はい、計ってみたいです。』
『レベル知りたい!!』
『私も計ってみたいです。』
『俺も計ってみたい…』
全員が計ってみたいと言ったため、4枚の紙がテーブルの上に乗せられた。
「ここに手を置いてくれれば、お前達のレベルが紙に写る仕組みだ、ついでにそれぞれの能力値もわかるぞ。
ちなみにさっき計った能力値とは違って、元々の能力値じゃなくて今の能力値が映るからな。」
『分かりました…では。』
4人それぞれ手を髪紙の上に置く…
しばらくして、手を離し、それぞれのレベルと能力値を見てもらう…
「どれどれ…」
☆成海 柊真☆ [Lv25]
[所属ギルド] 冒険者ギルド
[体力] 7875
[攻撃力] 875
[防御力] 1225
[魔力値] 5575
[聖力値] 3515
[適正魔法] 炎魔法 水魔法 光魔法 闇魔法 土魔法 風魔法 雷魔法 邪魔法
[加護] 大賢者ガルントの加護
[従魔] フェアリースライム(エラム)
[眷族] 大魔王ボルダベルの第2王女クレフ·パーラ(パーラ)
[スキル] 経験値倍加 能力値倍加(3倍) 状態異常無効(上) 基本能力値の上昇 念話 超回復
[異能力] 超吸収 創造 異次元ボックス
☆成海 舞奈☆ [Lv2]
[所属ギルド] 冒険者ギルド
[体力] 3100
[攻撃力] 160
[防御力] 350
[魔力値] 4300
[聖力値] 3200
[適正魔法] 炎魔法 水魔法 光魔法 闇魔法 土魔法 風魔法 雷魔法 邪魔法
[加護] 大賢者ガルントの加護
[従魔] フェアリースライム(エラム)
[スキル] 念話
[異能力] 魔法合成
☆成海 瑞奈☆ [Lv2]
[所属ギルド] 錬金術ギルド
[体力] 3200
[攻撃力] 190
[防御力] 340
[魔力値] 2260
[聖力値] 2180
[適正魔法] 炎魔法 水魔法 光魔法 闇魔法 土魔法 風魔法 雷魔法 錬金魔法
[加護] 大賢者ガルントの加護
[従魔] フェアリースライム(エラム)
[スキル] 念話
[異能力] 超錬金
☆成海 冬馬☆ [Lv2]
[所属ギルド] 鍛治ギルド
[体力] 3300
[攻撃力] 180
[防御力] 310
[魔力値] 2080
[聖石値] 2160
[適正魔法] 炎魔法 水魔法 光魔法 闇魔法 土魔法 風魔法 雷魔法 鍛治魔法(全て)
[加護] 大賢者ガルントの加護
[従魔] フェアリースライム(エラム)
[スキル] 念話 鍛治(剣)
[異能力] 精密鍛治 魔法合成鍛治
俺たち全員のレベルと能力値を見てもらい、どんなのかな?と楽しみに待っていると、いきなりギルド長が立った。
「お前達……一体…」
驚愕の結果だったのか、3人とも驚きを隠せずに腕がわなわなと震えていた。
「こんなの歴代にいませんよ! しかも、[大賢者ガルントの加護]ってなんですかそれ!あと、シューマ様に従魔がいることは知ってましたが、まさか眷族まで…しかも[大魔王の第2王女]ってどんだけやばいんすか!戦争になりますよ!」
「落ち着きたまえ、確かにこの結果には言いたいことだらけだが、まず君はこの書類をまとめてくれ。」
副ギルド長に指示された青年は、ブツブツ言いながら、ものすごい勢いで書類を書いていく…
「ギルド長…この結果をどう受け止めたらよいのでしょうか…」
「まさか、こんなにもステータスが高いとは…
しかも、全員に従魔がいて、基本魔法が全て適正魔法か……」
テーブルに置かれた自分たちのレベルとステータスをみてみると…
ハハッ…この結果をガルントさんに見せたらすごい反応しそうだな…
まず、いつ加護がつけられたんだ?あと、加護の能力がイマイチわかんないし、俺の異能力スキルに何か使った事ない物があるんですが…
『あの、この異能力ってなんですか?』
「大賢者ガルントってあの……」
「書くことが多すぎるーー」
「まさか異次元ボックスまで持っているとは……」
3人とも俺の質問が耳に入っておらず、個々の世界に入っているようだった…
「書類を書き終わりました!ハァハァ…君たちについては、もうちょっと時間を置かないと分からないことだらけだから、今は頭の整理をさせてくれ。
ギルド長も副ギルド長もこの状態になったら、しばらく考えないと元に戻らないから、帰ってもらっても構わないよ…結果は忘れずに…」
そう言って、青年は扉を開けて出ていってしまった。
『じゃ、じゃあ俺たちのも失礼しますね…』
「なぜこんなに…」
「またあの…」
あ、完全に聞こえてないわ。
『失礼しました。』
それぞれ、挨拶をしてから部屋を後にした。
☆★☆★☆★☆
『さて、装備品を揃えに行きますかー』
「まさか、そんなに強い方々だったなんて…びっくりしました。」
「そうだねぇ〜正直私もびっくりしたぁ〜」
『自分たちが1番驚いてるけどね…』
『確かになー父さんびっくりだよ…』
なんか父さんおかしくなってない!?大丈夫!?
『さ、さぁまずは服を見に行こうー』
『はぁーい!!』
はしゃいでるのは舞奈だけか…父さんと母さんは、変ににやにやしてるし…一緒に歩きたくないな…
[サバラの防具店]
『ここにしよう。』
大通りを歩いていたらこんな看板を見かけたから、ここにしたけど…まぁどこでも変わらないよね。
「いらっしゃい!どんどん見ていきなー」
入店してすぐにそんな声が飛んできた。
店主さんは皮の服を着て、皮のズボンを履いているおじさん…しかもマッチョの…
そんな店主に驚きながらも、店主のおじさんにオススメの服はないか聞いてみた。
「おすすめだったら、こんなのはどうだ?」
ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次回で、1週間ほど期間が空くと思います。すみません。




