第29話『ダンジョンに向かって』
こんにちは川中春夏です。
久しぶりの投稿な気がします。
さぁ、序章はあと2話又は1話で終わります。
次の章では、戦いを主に書いていけたらなと思います。
『久しぶり…』
家族に会えてその一言しか出てこなかった…
「助けに来た!」とか、かっこいいことは言えないし、はたまた、「会いたかったよ!」みたいなマザコンやファザコンならぬファミコンにはなりたくはないし、助けに来たと言うよりも助けに行かせてもらったの方が正しい。
俺一人じゃここに来ることなんて絶対できなかったから、ガルントさんには本当に感謝している…
「久しぶりです。柊真さん」
不意に声をかけられ、振り向くとポヨヨンッと効果音が入りそうなほどプルンッとしていて、天使の輪っかが目立つピンク色のスライムがいた。
『久しぶりだなエラム』
そして俺は、数日会っていなかっただけの家族の面々を見て、なぜか目からお水が…
べ、別に家族に会えて嬉しいとかそんなんじゃないし!
ただ、涙腺に繋がってる神経の不具合か脳が神経に出す信号の伝達ミスだし!
おい!!絶対誰かファミコンって言っただろ!
別にいいじゃんか!高校生でも家族のことが心配になることぐらいあるし!思春期とか無かったし…多分…(作者もなかったと思います。)
無事、家族との再会をすることが出来たファミコン柊真は、パラレルワールドから脱すべくあいつの名前を呼ぶ。
すると、こっちの世界に来た時と同じようなゲートが開いた。
『このゲートを通ったら現実世界に戻れるよ。』
『ほんとにこれ大丈夫…だよな? あっ、ちょっと待てよ、押すなってえええええぇぇぇぇぇ』
父さんが心配そうに聞いてきたが、舞奈と母さんに背中を押され無理やりゲートの中に押し込まれていた。
しかも、押し込んだ2人はヒソヒソと『大丈夫そうね…』『そうだね』と、父さんを実験台にして安全を確かめていた… この家族まじで大丈夫なのだろうか…
そうして、無事、現実世界に戻ってこれたわけだが、帰って早々、『この綺麗な女性は誰?』『どこであったの?』『どんな関係だ?』…めんどくせぇ〜 訳でもないから(怒)、ちゃんと、ガルントさんの塔に向かって歩きながら説明をしてあげた。
『…そんなわけで、ガルントさんは母さん達の命の恩人とも言える人だよ。』
なんだ〜そうだったのか〜とあからさまな反応をして、ガルントさんにお礼を言っていた…
「いえいえ、私の眷族のドラゴンがしてしまった失態なので、私にも責任がありましたから、大丈夫です。
それよりも、柊真のご家族の方全員無事で何よりでした。」
ドタドタドタッと俺のところに駆け寄ってきたから、何事か、と思ったけど、『さっきガルントさん、あんたの事柊真って呼び捨てにしてたんだけど!?』
えぇ…そんなことかよ…どうでもよくね?
と、返事をすると、さらに詰め寄られかなりの眼力で俺を見てきた。(母さんと舞奈)
それを遠目で見ていたエラムとパーラは、クスクスと笑いながら何かを話していた。
…なんかエラムとパーラ、よく話すようになったよな…
まぁ、店とかに入れない時にパーラが一緒に外で待ってるから、そん時に仲良くなったのだろう。
「あ、そういえば…柊真の能力について色々調べさせてもらいました。」
ナイス!!ガルントさん!! 助かった…
『能力ってお兄ちゃんとお父さんの物が消えるとか?』
「そうです。 なので、家族の方々の能力値も測ってみたいと思ったのですが、柊真ので最後だったので近くのダンジョンに取りに行きたいと思っておりますが、一緒にいかがですか?」
ガルントさんはなぜか笑顔で食事にでも誘うかのような軽い感じで「ダンジョンに行かない?」と聞いてきた…
「あ、安心してください。私の結界魔法で常に守っておきますので、エンシェ以上の魔物が出ない限り壊れることはありません。なので、自由にダンジョン内を探索してみてください。」
おおお、これなら俺も安心していけるな…と思ったが、そもそもダンジョンってどんなところなんだろうか…
『すみません、確か冒険者ギルドに上位の魔石や聖石が何個か届くみたいなんで、そこで能力値は測らせてもらいます。』
「そうなんですか……分かりました。 でも、測った能力値は私にも見せてください。」
そういえばそんな事もあったな…完全に忘れてた…
母さんの記憶力がすごいな…
ここ最近めっちゃめちゃ色々あって頭がパンクしそう…
てことは、先に街に戻った方がいいんじゃないか?
食料とか装備とか全く揃ってないし、服に関してはいい加減変えたいと思うし… やっぱり、1回街に帰ってからもう1回ここに来てダンジョンに行く方がいいだろうな…
〔あーあー聞こえるか?久しぶりに【念話】使ったから、できてるか心配なんだよ…〕
〔大丈夫、聞こえてるよ。〕
答えてくれたのは舞奈だった。
父さん達も念話使った時に少しだけビクッと肩を動かしたから聞こえてるのだろう。
〔父さん達も聞こえてると思うから、ガルントさんの提案について話したいんだけど、俺の案としては、1回街に戻って冒険者ギルドとかに行って今回の報酬金を貰ってから、俺達の能力値を測定して、俺達の服とかの装備品を揃えてからもう一回ここに戻ってきて、ダンジョンに行くべきだと思うんだけど、どうかな?〕
〔私は賛成、あと、できればお風呂に入りたい…〕
〔〔賛成、俺(私)もお風呂に入りたい。〕〕
とりあえず俺の意見には賛成多数で可決という事で…
で、問題はお風呂だな… 俺はガルントさんの所で入ったけど、もう1回入らせてくれるかな…
『あの、ダンジョンに行くことは賛成ですが、その前に1度街に戻って装備とかを揃えてきてからダンジョンに同行したいと思います。あと、お風呂に入りたいそうです…』
「わかった。街まではエンシェに送り迎えさせるから安心してくれ。
お風呂はこっちだ。」
『『『ありがとうございます!』』』
3人は相当お風呂に入りたかったのだろう。
ジャンケンをして入る順番決めをして、最初に入ることになったのは舞奈だ。
そして、3人ともガルントさんのお風呂からあがると、茹でダコのように、熟れた林檎のように赤く頬を赤らめて、幸せそうな顔だった。
それから、3人はしばらくガルントさんと世間話をしたり、自分の能力について聞いてみたり、外にいるエンシェと話してみたりとそれぞれ違うことをしていた。
ちなみに俺は、エラムとパーラと魔法の話をしたり、他の魔物について聞いてみたり、伝説の勇者とかダンジョンについて等の話を聞いたりしていた。
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しばらくして、街に向かって出発する事になり、皆エンシェの背中に乗っていく…
『よし、準備完了。いつでもOK!』
「しっかり捕まってないと、振り落とすからな。」
そんなこんなで、街に向かう…
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ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次回で…




