第28話『危機と再開』
こんにちは川中春夏です。
本編の続きを書き始めます。
いや〜やっとおもしろいことになるようなストーリー展開をしていけるので、自分も楽しみです。
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皆は、いきなりスカイダイビングできるぐらいの高さに、パラシュート無しで投げ出されたことがあるだろうか…
無論、そんな体験をしたことはないだろう!!
だが!
今!
人生初!!
気がつけば上空に投げ出され、現在進行形で落下中の異世界から来た高校生がいた!!
〜約5分前〜
『それじゃあ、家族の皆を見つけてきます。』
この一文だけ見ると、迷子の子が「全く〜お母さん達は〜」と、落胆しながら迷子放送される子のような発言だが、今回は本当に自分以外の家族が迷子状態なんだからしょうがい。
しかし、迷子になった場所がショッピングモールや遊園地ならともかく、パラレルワールド、つまり、もう一つの世界全体が捜索範囲プラス!2時間という制限付き…
世界中の何処かにいる自分の家族を、2時間以内に見つけ出せと…フムフム…ドラ〇ンボール欲しい…
本当に見つけられるのだろうか…そんな不安が柊真を襲う…
「心配しなくても大丈夫、エンシェが家族をパラレルワールドに送った場所にゲートを開くらしいから、すぐ見つかると思う。」
お、それなら大丈夫そうだな。
コクンッと頷き、エンシェが作ったゲートに近づく…
形は丸く、見ているだけで吸い込まれそうなほどの漆黒がゲート内に広がっていた。
近づき、ゲートに向かって手を伸ばす…
すると、自分を覆い隠す様にゲートが広がっていき、俺一人余裕で通れそうなほどまで広がった。
そして、ゲート向かい歩くと、突然視界が暗くなり、気がつくとそこは空だった。
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〜現在〜
『ちょっっっっっとまてーーーーー!!!!なんだここはぁぁぁああぁああ!!!』
叫び、悲鳴をあげながら空気抵抗が一番多い体勢になる。
待て待て落ち着け!
落ち着け… るわけ無いだろ!!!!
なんでだ!なんで空にいるんだ!
空にワープするとは聞いてない…どうすればいいんだ…
よし、無理矢理にでも助かる方に思考を回さなければ助からない…【柊真は高所恐怖症の重症な方。現在の思考【高い→怖い→死ぬ以下無限ループ中】】
しかし、パラシュートもなく魔法も使えない、パーラやエラムもいない、これかなり詰みだな…
いや、待てよ?
俺は異世界から来た高校生、つまり、最強系が王道!そのため!何かしらの何かが起きてなんなく助かるはず!
…
……
………
何にも起こらねーー!!
何か起きるでしょ!例えばなにか凄い魔法が撃てたり、自分の隠された力が開放するとかさ!何かあるでしょーがー!
やめよう、変なことに期待するより現実的に考えたほうがいいな…
まず、今いる場所は上空…パラシュートは無く、魔法も撃てない…
周りに魔物がいないだけマシだったのかも…
はぁ、俺はこのまま死ぬのか…短い人生だったな
ん?待てよ、俺の異能力は確か【吸収】と【創造】だったはずだから…
目の前に近づいてきたのは【雲】…
雲は主に水蒸気が埃とかにくっついて、それが沢山集まってるのが雲だから、水蒸気を吸収して、水を大量に創れれば、案外助かりそう…
よし、やってみよう。
まずは、周りの水蒸気を吸収して、創り出す。
すると、手の中に水の玉のようなものができた。
しかし、全然足りないのでどんどん水蒸気を吸収していく…
さっきまであったはずの雲が無くなり、周りには何もなくなった。
これだけあれば…と思えるだけの量は集まらなかったが、縦に伸ばして地面に衝突させていけばある程度は勢いが収まるだろう…
いや、待てよ?
それだけじゃ地面に追突するか、勢いが完全に収まって普通に着地することができるかは運次第になるから、何か他にも工夫したほうがいいか…
さっきまでかなり焦っていたのはどこに行ってしまったのか、人間は土壇場になるとやっぱりすごい力が発揮できる生き物なのかな?
さて、じゃあ【空気】を吸収して水を生成したあとに空気を作ったらいい感じに水鉄砲的なものができないかな?
そんなことできるとは到底思えないが…
まず、空気を吸収するって事は…
いや、もう考えてる暇はなさそうだ…
どんどん迫ってくる地面を見据えて、自分の考えへの批判をやめた。
そして、空気を吸収する、水を創って、空気を創ってなんとなく勢いよく発射しないかなと思い、力を込めてみる。
水は勢いよく飛んでいき、地面にぶつかった。
その時の反動で、少しだけ落下の勢いを止めることができた。
その後はひたすら吸収して創造の繰り返しで、平原の地面に着地をすることができた。
ふぅ…寿命が残り1年ぐらいになった気分…
やばい、家族探す前にかなりの疲労だな…と、地面に座る。
やっぱり地面はいいな…と思いながら、少しだけ横になる。
草が体と地面の間のクッション代わりになってくれているので、このまま横になっていたら寝てしまう…
…
ハッ!!
一瞬意識が飛んでしまった…いかんいかん。
さて、気を取り直して家族を探しますか。
と、意気込んだのはいいものの、どうやって探せばいいのか、手がかりさえもないので、取りあえず読んでみたら返事とかあるかもと思い、読んでみる。
『おーい父さーーん』
…
『おーい母さーーん』
…
『おーい舞奈ーー』
…
『おーいパーラーー』
「はぁ〜い」
……
ぇ?
後ろを振り向く。
ぇ?
なんでいんの?
『パーラ?』
「そうですよぉ、柊真、忘れたんですかぁ?」
いや、忘れたとかじゃなくて…
あ、そう言えば、パーラと眷族契約したとき、確か呼んだらすぐに来る的なことを言っていたような…
うわ〜予想以上に簡単に家族全員見つけられそう…
だって、パーラを発見?できたから、家族の居場所がわかってるってことになるから…よし、早いとこパラレルワールドから抜け出そう。
『いや、忘れたわけじゃないけど、まさかこんなにも早く見つかるとは思ってなかったから…』
「そうだったんですかぁ?」
『うん。あ、じゃあみんなのいるとこに案内してくれないかな?』
「いいよぉ」
と、返事をしてからすぐ、パーラに連れられ皆のいる場所にたどり着いた。
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ここまで読んで下さりありがとうございます。
また次回で…




