第27話『異世界転移の定番』
こんにちは川中春夏です。
最後の方におまけ的なものを書いておきました。
書いてる最中に感情移入してしまい、ストーリーが進んでしまいそうでしたが、抑えておきました。
そう言って手の中を覗いてみると、魔石が無くなっていた。
うわ…ほんとに無くなってる〜〜怖…
『俺の異能力のことはわかったけど、家族の方はどうなんだ?』
と、少し不安になりながら聞いてみた。
『その事なんだがな…かなり厄介でな…』
『そんな…』
正直、家族みんなで異世界に来たから心細くなかったけど、普通1人だけで転移とか転生したら、かなり不安になると思うんだけどな…
まぁ、そんな事よりも家族についてだ。
『まず、私の眷族が失礼したことを大変申し訳なく思っている。すまない…』
『それは大丈…夫では無いけど、連れ戻すことが出来たらいいんですけどね。』
『…それでは本題だ。
正直に言って、連れ戻すことは不可能に近い…が、君の異能力を使えば簡単かもしれない…』
『それはどういうことです?』
『まず君の異能力は『吸収』ともうひとつある。』
え…そうなのか…って自分が気づいてないって言うね…
でも、なんとなくわかることはあるかもしれない…
と言うのも、魔石を吸収した時に一瞬だけ体が爆発しそうな感じがしたけど、すぐにおさまったからなんだったのかな〜とは思っていたけど、これが関係してるのかな?
『それは…『創造』だ。』
創造?それって作り出すってことだろ?某有名アニメじゃないんだしそんな事出来るわけ無いだろう。
『ん?と思ったかもしれないが、これを見てくれ…』
と、テーブルの上に置かれたのはかなり小さな魔石だった。
『これは?』
『君は、上位の魔石を吸収した時になにか体に違和感とかがしなかったかい?』
あ〜それって体が爆発しそうな感じになったことかな?
『感じましたけど、一瞬でしたよ?』
『その違和感がこれを作りだしたんだ。
私の予想だが、人間誰しも魔力や聖力、邪力を体に宿す量は大体決まっているものなんだ。
だから、君の中に取り込まれた魔力の量が体に入る量を超えたから、超えた分だけ外に出てきたのだろう。
普通の人間は休憩する事によって自分の限界値まで魔力などを回復させるから、溢れ出すことは無い。しかし、一部の魔物は、違う魔物に分け与えたりできる者もいるため、溢れてしまうことはよくあることだ。大抵はオーラとして溢れ出すものなのだが、君の場合は結晶に作り変えたんだよ。
だが、それよりも君の魔力保持量が凄いことに注目した方がいいだろう。』
なるほど…
一斉に説明されると難しいな〜…念話まじリスペクト((ボソッ
約1分後
…つまり、俺の異能力は『吸収』と『創造』であり、吸収した魔力が自分の体には入りきらない程吸収しちゃったから、外に出てきたって事か…
おい誰だ。理解が遅いって言ったやつ、表出てこい。
『それでだ、もう少し掘り下げると、冒険者ギルドで使用されている魔石や聖石は大体の人間が生きている間に使う魔力や聖力の3分の1の量まで測定できるもので、君はそれ以上の聖力と魔力の持ち主だから、一般人の一生の間に使う魔力や聖力の3分の1を保持していた事になる。
更に、ここで使用していた魔石は上位の魔石…上位になると、一般人の一生の間に使う魔力の3倍以上…その魔石が全て吸収され、余った魔力は下位の魔石のほんの一部分のようなもの…
つまり、君一人で一般人約3人分の魔力を保持することが出来るという訳だ。』
ほう…わからん。
でも待てよ?よくよく考えたら、魔石を手で握ったってことは聖力の値を測ることになるんだから、この場合聖力の保持量が人の3倍じゃないのかな?
てか、人の3倍って…魔法も使えないのに…完全に宝の持ち腐れだな…
妹に譲りたいな…でも、妹も十分な保持量だと思うけどな。多分そうだろう
『でも、魔石を握ったんだから聖力の保持量が…じゃないんですか?』
『おお…鋭いところに気がついたな…
多分だが、私が色々と君の異能力についての実験をしたため、ちょっと癖がついたのかもしれない…だから、吸収したのかも…』
なるほど…癖か…早めに治さなければ…
『それで、なぜ君の異能力が家族を連れ戻すことに繋がっているのかと言うと、私も1度だけパラレルワールドに大切なものを送られてしまってな…エンシェに頼んで扉を開いてもらい、探すことにしたのだが、パラレルワールドに一歩踏み入れた途端に魔力が吸い取られていったのだ…
後からエンシェに聞いてみたら、パラレルワールドでは自分の魔力を糧に動くことが出来るらしい。
私の魔力保持量は一般人の一生の3分の2であり、活動できた時間が30分…君の場合は2時間とちょっとと言ったところか…かなり時間はある方だが、扉をくぐる時にも魔力が必要になる。家族全員…もちろん君も入れてだとすると、活動時間は2時間が限界となるだろう…』
2時間か… エンシェって笑笑 ネーミングセンス笑笑
てか、家族がいるところに扉開いてくれればそんなに魔力使わないじゃん…
そう質問してみると、『確かに……』と今気がついたらしく、少し怒り気味のようだった…
『ま、まぁ、それはまた明日にしよう…今日はもう暗い泊まっていきな。』
外を見てみると、いつの間にか夜になっていた。
今日はめちゃめちゃ大変な1日だった…
明日は絶対家族をここに連れ戻すぞ。
そんな事を誓った。
『そうだ、君はお風呂に入るかい?』
『えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!お風呂っすか!!!!入れるんすか!!!やったーーー!!!!』
と言うのも、こっちの世界に来てからは水を流した程度だったため、髪の毛もかたまっていて嫌だった。
『そ、そんなに驚くことか?君は変わったヤツだな…』
『ふぅ…失礼しました。お風呂、入らせていただきます!』
というわけで、久しぶりのリラックスタイムだった。
そして、夕飯には見たことがない食材しか出てこなかったが、味は凄く美味しかった。 見た目はね…うん…ね?
そして、なんと言っても『ベッド』!!
ずーーーっと硬い床だったから、ベッドに坐った瞬間ふわふわの感触が俺を殺しに来ました。
めっちゃ気持ちいい…ふっかふか〜〜…スヤァ〜
一部始終を見ていたガルントさんは、かなりの変人だと思っただろう…そっと扉を閉めてそそくさと自分の部屋に帰り布団に包まっていた。
以外にピュアなのだろう…普段見せていた賢者らしい態度とは違い、かなり女の子という感じである。
しかも、かなりの美人でこんな行動をとっているのだ…落ちない男性はいないだろう…
※今は立派な成人です。
そんな事とは知らず、熟睡する柊真。残念…
明日も大変そうである。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次回で…




