第7話『ギルドについて、色々と教えてもらいました。』
はい、どうもこんにちは川中春 夏秋と申します。
前回の続きです。楽しんで読んでもらえれば幸いです。
『すみません。ギルドってどこにありますか?』
と、俺は舞奈との真剣勝負に負けたので、ギルドの位置を聞くことになった。
誰に話しかけるべきか悩んでいると、話しかけやすそうな優しい顔立ちの女性を見かけたため、聞いてみることにした。 …別に下心がある訳では無いからな?
「ギルドですか…どのギルドか教えて貰ってもいいですか?」
え、ギルドって何個もあるのか?
さっきの兵士さんが「ギルド入ってるか?」って聞いてきたから、てっきり一つだけだと思ってたんだけど…
『あの、ギルドって何がありますか?』
「確か、冒険者、商売、魔法、錬金術、裁縫、料理、鍛冶です。」
え〜結構あるんですけど…
と、思っていると、
「2年前までは、冒険者ギルドと商売ギルドしかなかったんですけど、国王会議で新しく5個のギルドができてしまいまして…」
『何でそんなに増えたんですか?』
と、ついつい俺が疑問に思ったことを聞いてしまった。
「それは私たちにもわからないの。国王機密事項らしくて、私たち庶民には何で5個新しいギルドをつくったのか情報が来なかったのよ…」
そうなのか、怪しいな…
何で国王だけにしかギルドを増やした理由がわからないなんて、おかしい。
と、思っても俺たちにどうこうできる訳でもないし、別にギルドが増えて悪いことないんじゃないかな?
あ、そういえば、ここの国の名前ってなんだろう?と今更ながら聞いてみた。
「ここの国の名前はガラディー王国よ…」
何でそんなことも知らないんだよって顔しながら答えてくれた。
すみません…。この世界に来てから3日しか経ってないもんで、国の名前とか諸々全くわかんないで…あはは…
怪しまれてないかな?
と、ドキドキしながら次の話に移ろうとした時、女性の方から質問が来た。
「あなたって、もしかして…」
うん(泣)怪しまれてるな。トホホ…
もしかしたらこのまま兵士とか呼ばれそうだ…
高校入学試験の面接の時みたいな緊張感だぜ。押しつぶされそう…
と、どんな言葉が来るかビクビクしながら待ってると、
「放浪人?」
ん?放浪人?えっと〜つまりは〜「旅人」ってことでいいのかな?
まぁある意味そうではあるが、確かに放浪人なら、今までのことは多少辻褄が合う気が…
いや、無理か。ギルドについてはなにか言い訳をした方がいいかな…
『はい。ですが、2年半どこの街にも行かずに旅していたため、ギルドがそんなに増えているなんて知らなかったんですよ…』
なんて、苦しい言い訳だよ。
2年半もどこの街にも寄らず、ずっと旅してましたって、かなり無理があるだろ。
と、自分で言った言い訳を後悔していた。
「そ、そうなんですか…2年半ですか…凄いですね…」
はい。絶対やばいやつだとか、こいつ嘘ついてるなってわかったよ……はぁ〜
「それなら、相当な容量のアイテムボックスのスキルをお持ちなんですね。」
そんなスキルあんの!?「アイテムボックス」ってスキルの名前からして、いろんな道具とか食料とかが沢山入るヤツだろ…
いいな〜俺も欲しい〜 使うかわからんけど。
『まぁはい。』
と、俺は話に合わせて返事をした。
「そこまでの容量となると…まさか貴族の方ですか?」
と、女性は聞いてきた。
『いえいえ、貴族ではありませんよ。』
と、少し笑いながら答えた。
俺が貴族に見えるのか…なんか嬉しいな…
っと、さすがにどこのギルドに行くか決めなきゃだな。
うーん。俺たちは今1文無しだし、早めに稼がないとずっと野宿することになるからな〜
早めに稼ぐって言ったら、やっぱり冒険者ギルドかな…
こればかりは、舞奈にも聞いてみるか…
〔あーあー舞奈、聞こえるか?〕
〔うん。聞こえるよ。お兄ちゃん。〕
結構距離があるから聞こえないと思ったけど、結構念話って便利だな。
〔俺たち今1文無しだから、できるだけ早めに稼いだ方がいいと思うんだが、早めに稼ぐって言うと、やっぱり冒険者ギルドに行くべきじゃないかなと俺は思うがどうだ?〕
〔うーん、確かに早めに稼いでまともな食事をしたいところだから、かなり危険ではあると思うけど冒険者ギルドに入会するべきだと思う。〕
よし、冒険者ギルドで決定だな。
あとは、場所を聞いて、今日中にできるような依頼とかってあるのかな?
まず、依頼受けるのかな?
そこら辺はギルドに行って聞いてみりゃいいか。
『冒険者ギルドに行きたいんですけど、どう行ったらいいですか?』
「冒険者ギルドですか、それなら私についてきてください。あそこは結構入り組んでて迷う方も多いので。」
おー道案内してくれるのか、正直かなりありがたい。
と思って、女性について行こうとすると、足元の柔らかい塊を蹴ってしまった。
慌てて下を見てみると、かなりご立腹なエラムがいた。
〔柊真、蹴りましたね?〕
〔あ、えーと…すみません。蹴りました。〕
〔この事はあとに置いておきますので今は聞いてください。〕
ん?なんだろうか。
〔あなたのついていこうとしている女性は、あなたを殺そうとしています。〕
読んでいただきありがとうございます。
また次回で...