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家族パーティー最強説!! 〜異世界のんびり無双譚〜  作者: 川中 春夏
序章『異世界転移』
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第17話『貧乏人…』

こんにちは川中春夏です。

新しい『何か』が登場しましたね〜

のんびーりやってくので気長に待っててくだせ〜

 

 〜夜〜


  虫の声なのか、日本にいた頃で言う『鈴虫』に似ている…良い音が響いている…

 

 ズシンッズシンッ

  「………」

  どす黒い鱗で覆われていて、自分と同じぐらいの長さの尾を持ち、4枚の翼をもっており、一つ一つの翼にはノコギリ型の爪がついていて、通った道の木は全て切り倒されていた。

  顔には、獲物を見据え、吸い込まれそうなほどの黒い目玉がギョロりとしている。

  四つん這いで土の上を歩いているのだが、雪の上でも歩いているかのように、足が沈み、足跡が残っている…

  「ガルル!!」

  近くにいた数十匹の犬の様な魔物は、警戒心を剥き出しにしており、リーダーであろう魔物が吠えると他の魔物達が一斉に噛みつきに遅いかかった。

  しかし、鱗が固く、全く歯が立たなかった…

  隙ができた犬型の魔物に尾を一振りすれば、噛みついていた魔物達が、木々を貫通しながら飛んで行った。

  「…………」

  それを見ていたリーダーは、相手が振り向く前に逃げていた。

  そしてまた、ズシンッズシンッと音をたてながら、歩き始めた。


  ☆★☆★☆★☆

 〜朝〜

『ん…う〜ん。。。あ、朝か…はぁ…』

  俺は、重たい頭を上げて伸びをした。

  『はぁ〜…今日はどんな依頼があるのかな…できるだけ簡単でお金が沢山貰える依頼がいいな〜』

  今の現状は、風が吹き込む家で1晩を過ごし、朝食、昼食は無し。夕食は、その日に受けた依頼の報酬によって変わる…

  一言でまとめると…『貧乏人』だ。

  『さて、、、ささ、起きて起きて』

  舞奈や母さんを無理やり起こして、家を出発する準備をする。

  ちなみに父さんは、俺よりも先に起きていたが、姿がないためどこかへ行っているのだろう…

  『あと5分〜』

  母さんと舞奈はいつもこの一言で二度寝する。

  『エラム、水を思いっきりかけてやってくれ。』

  『分かった!!もう起きました!!起きましたから水をかけて起こすのやめて!!』

  母さんは1度この方法で起こされてトラウマのようだった。

  舞奈は、水をかけられて起こされたことは無いが、母さんがやられてるところを見て、絶対あの起こされ方はやだ…とボヤいていた。

  まぁ、結局全員起きたのだが、父さんの姿が見当たらない…

  しばらく探してみたのだが見つからず、諦めかけていた時、父さんは林の方から歩いて来た。

  『父さん、どこに行ってたんだよ…』

  『ん…あぁ、昨日食べた果物がないかな?と思って探してきたんだけど、違う果物なら見つかった。』

  と、父さんが持っていた果物は黄色く、メロンのような皮をしており、風魔法で斬ってもらうと、中にはグレープフルーツの様な赤い果肉があり、柑橘系の匂いがした。

  『これって食べれるのかしら…』

  と、母さんは慎重になっている。

  〔エラム、これ何かわかるか?あと、食べれる?〕

  〔これは『アカシュ』と言う果物で、主に錬金術の材料として使われます。

 食べれないことは無いと思いますが、まず、それを食べた人なんて見たことないんですよ…〕

  錬金術の材料か…明らかにやばいやつだ…

  まぁ、エラムが食べれるって言ってるから食えるのかな…

  『よし、じゃあ『あれ』で決めますか。』

  俺は、よくある『あれ』で食べる人を決めようと提案した。

  …全員一致。OKのようだ。

  『それじゃ、最初はグー!!じゃんけんーー』

  ぽん

  母さんーーチョキ

  父さんーーチョキ

  舞奈ーーチョキ

  俺ーーパー

  …うわぁぁぁぁーー嫌だーーー

何で俺はパーを出してしまったんだよ...

  …ゴクリッ

  『い、いただきます。』

  ガブッっとかぶりついてみた。

  『んんんん〜酸っぱ!!!!』

  やばい、口の中がーー

  昔小さい時に、みかんと間違えてレモンを噛じった事があったが、それ以上に酸っぱい…

  『…食えたもんじゃない…』

  こんな酸っぱい果物なんか誰も食べようとは考えないな…

  家族全員、俺が苦しんでる姿を見て大爆笑していた。

  絶対!!次の『あれ』では負けない…

  そう決意して、

  『それじゃ、行きますか…』

  そして、やっとギルドに向かう事になった。



 ☆★☆★☆★☆

 〜夜〜


  漆黒巨龍は、森の中をさ迷うように歩いていた。

  ズシンッズシンッ

  『…………』

  しばらく歩くと夜空がとても綺麗な丘の上に出た。

  今日は満月で、周りは明かりが無くてもくっきり見えるほど明るく、満点の星が輝いていた。

  『………キれィ……』

  そう一言呟き、目からは涙を一雫流していた…

  月に照らされた涙は、キラキラと輝きながら、地面に向かて落ちていく。

  地面に向かって落ちていく涙は、地面に落ちる前に一瞬にして固まり、粉々に砕け散った。

  今まで歩いていた道を見てみると、歩いて翼が当たった木々は、斧でも切れない程綺麗な切り株になっていた。

  足跡は無くなっており、誰がやったのかは分からくなる。

  そして、ゆっくりとした動きで飛び立とうとした。

  しかし、飛ぶことはできず、体が浮くこともなかった…

  何度か試してみたが、やっぱり飛ぶことは出来ず、ただ翼をばたつかせているだけだった。

  そして、飛ぶことを諦め、丘を歩いて下り始める。

  丘を下り終わると、ただただ広い平原に出た。

  風がそよそよと吹いており、平原の草がゆっくりと揺れている。

  近くに街や村は見当たらず、人の気配もしない。

  巨龍はまた宛も無く歩き出す。

 

 ☆★☆★☆★☆

 〜朝〜


  俺たちはギルドの扉の前に来ていた。

  そこには、扉が開けられないほどの人が集まっていた。

  『ちょ、、、ちょっと通ります…あ、すみません……失礼します…』

  人をかき分け、肩や頭が当たりながら、ギルドの中に入ることが出来た。

  『ど、どうしたんですか?この人達は一体…』

  受け付けの人に話しかけるのもかなり大変だった。

  「どうやら、依頼をしようと殺到しているようです。」

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

また次回で…

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