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ソロバンで頭が良くなるのか


もはや、『ソロバン』の実物を見たことがある人は少数なのでは無いだろうか?


私はある。

使ってみたことも(実用では無いが)ある。

更に言うと、純粋なノスタルジックアイテムとして、アンティークの『計算尺』だって所有している。


昔、というのがどのくらい昔かというと、世の中にケータイさえ存在せず、子供が電卓も持てなかったくらい昔のことだが、『ソロバンを学ぶと頭が良くなる』もしくは『算数が得意になる』と言われていたそうだ。


それで、世の親たちは一生懸命に子供をそろばん教室に通わせたりしたし、学校の授業にも、当然のようにそろばんを教える時間が設けられていた。


それを聞いて不思議に思ったのだが、ソロバンというのは、確かに『計算機』ではあるのだが、その構造というか役割は、実際のところ『計算状態を一時的にメモリーしておく装置』である。

加算だろうが減算だろうが、その演算自体は自分の指で行わなければならない。


つまり、計算途中の一時的な状態(数値)を保持しておけることがミソであり、(扱える桁数の範囲内では)最新状態の一行だけしか読み取れないロール紙で筆算しているのに近い。


もちろん、筆算と違うのは(桁上がり以外には)暗算の必要がないことで、たとえ桁数の多い数字であろうと、得られた各桁の数字の数だけ次々と珠を動かしていけば、その動かした後の視覚的配置が、そのまま計算結果になる。


そういう意味では、ソロバンは正しく『計算機』でもあるのだが、どうして『ソロバンを使うと頭が良くなる』という風説に至ったのかを考えてみて、電卓や機械式計算機と違って、計算の途中経過が常に見えているからではあるまいか?と感じた。


(技能習得後は)ソロバンを使うと計算スピードが飛躍的に上がる。ただの筆算よりもはるかに向上する。

従って、大量の計算をこなせるようになるわけだが、結局のところソロバンを使っているときには、桁上がりを自分で処理しなければいけないため、電卓と違って盲目的に指を動かすのではなく、一桁ごとの小さな暗算を無数に繰り返していることになる。


その時、僅かとは言え自分の脳に数値(珠の位置)を保存し、脳内で演算を行ってから、その結果を新しい珠の位置として反映させる。

これが、記憶力ゼロのロボットハンドを使ってでも、数字と演算記号さえ順に押していけば計算結果の出てくる電卓との決定的な違いだ。


つまり、ソロバンの課題をやっていると言うことは、脳内ではとても簡単な加算減算の問題をひたすら素早く繰り返しているわけだ。

ただの暗算や筆算だったら、むしろ飽きて嫌になるくらい簡単な暗算を繰り返し繰り返し繰り返し...(以下、繰り返し)


なるほど...そう考えてみると、妙に難しい問題に頭をひねっているよりも、これを毎日繰り返す方が、地頭の計算能力が高まるということかと納得した。


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< ただし、ソロバンに習熟することで数学的思考が身につくかというと、数字を扱うことに慣れる、大量の計算をすることに抵抗感がなくなるという点以外は、まったく関係ないだろうと思う。>


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