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第95話(話を聞いた)

 石を持たせてカードを使う占い方法がどこかにあるのか。

 それともただ単に、相手に触れるための言い訳なのか。

 あるいは……その両方なのか。


 そして、手に入った情報は他にもある。

 ロゼッタの“客人”である異世界人の存在“ミコ”。

 制服についてはどこの学校かは分からないが、いなくなったその人物で間違いなさそうだ。


 他には、その異世界人の魔道具のおかげで、敵の能力が強化されている……。


「その石、事態が“ミコ”の魔道具で、その敵の能力を増幅させる効果があったりする? この剣のように」


 俺はそう呟いて、タタに、


「その石はどんなものだったか覚えていますか?」

「そうですね。きれいな四角い立方体の紫色の石でした」

「立方体……か」


 その形自体はただの箱のようなものだが、あの洞窟で追いかけてきたあの黒い物体は四角い形をしていた。

 その魔道具の制作者の、何らかの“嗜好”が反映されているのかもしれない。

 とはいえ、それが分かった所でどうにかなるわけでは……。


 と思いつつ、ふと、元の世界のとある人物を思い出して俺は、少しだけもやもやした。

 多分気のせいだろう、世の中広いしな。

 でも、“ミコ”か……と俺は思っているとそこでシーナが、


「どうしたの?」

「立方体みたいなものが好きな子がそう言えば知り合いにいたなと思っただけだ。名前もそういえば“ミコ”だったが……ロゼッタ、歳を聞いていいか?」

「16歳よ。でも、この世界に限ってはその程度のことは意味がないかもしれないわ。だって異世界人は、その世界の100年後の人間が現れたりするもの」


 それを聞きながらあの子の可能性もあるのかと今更ながらおもったが、しばらく俺は考えてから、


「だからと言って俺の知り合いとは限らないだろう。時間も兼ねて考えると一体どれくらいの人間がいるかわからないしな」


 といった結論に達した。

 それに今考えるべきことはそれ以外にも沢山あるのだから。

 こうして俺はタタから話を聞き、それから、操られる前にタタ達が村人たちを集めたこともあり、それ関係の事情説明などもする。


 シーナというお姫様がいたおかげで大抵の話はうまく収まった。

 というよりもそこでシーナのお姫様力が存分に発揮されたらしい。

 他には、その怪しい風体の人物が訪れる前に、異世界人がこの村を立ち寄ったらしいという話を聞く。


「マサトだわ」


 その姿などの話からシーナがそう、嬉しそうに言う。

 こうして俺はエリス共和国に向かったんだった。



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