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第92話(占い師)

 その、タタ達に声をかけてきた男と一緒にいた少女は、ロゼッタ達の客人の“ミコ”であるらしい。

 その服装から確信を持ったようだ。

 ただロゼッタは今の話を聞いていて気になることがあったらしく、


「その連れていた少女は“無表情”だった?」

「ええ、人形みたいに表情が動かない、気味の悪い女でしたね」


 タタの言葉にロゼッタが呻いて押し黙る。

 それから小さく、


「“ミコ”はよく笑う明るい子だったわ。そんな“無表情”ではなかったはず」

「意識を完全に……いや、あの“操作の樹”では抵抗したと書かれていたから完全ではないが、それでも近い状態で支配されている?」

「逆らわれるのを“恐れている”という事かしら。……支配する形でないと、“女性”すら傍にいてもらえない魅力のない男なんて、哀れね」


 ロゼッタが冗談めかして罵った。

 けれど手を握って震えているのを見ると怒りをこらえているらしい。

 よほど仲の良い友人だったのだろうか?


 その、“ミコ”という名の異世界人は。

 俺がそう思っているとそこでシーナが、


「とりあえず、そのロゼッタの知り合いの異世界人がそこにいるのは分かったわ。それでどんな話をしたの?」

「……あ~、その後の話をしないといけないか?」


 タタがそこで俺達から視線をそらして、そう聞いてい来た。

 何かあまり話したくない事情でもあるのだろうか? そう俺が思っているとタタが、


「この状況では、黙っていても話さなきゃいけなくなりそうだな。……分かった。話す」


 そこでタタが一度深呼吸してから、


「……実はその声をかけてきた男が女連れだったから……“彼女”持ちだと思ったんだ。俺達は」

「……そうなのですか」


 俺はどう言う顔をするべきなのか迷ったが、それを努めて表情に出さないようにして話を聞いていると、


「そしてこう、今回俺達三人の中で一人抜け駆け……裏切者……がいたがためにこう、“彼女”を持つ男というリア充に対して、こう……感情があって、それでこう、丁度来たのでいいカモになるかと思ってゲームに誘ったんだ。もちろん金をかけてだが」

「それでどうなったのですか?」

「俺達が負けたり勝ったり色々だったな。ただこう、彼女がいるのが羨ましいと俺は思ったからそう聞いたら、その怪しい男が、『実は副業で占い師もやっているのですよ。そうですね……これも何かの縁ですから、恋愛運を占ってあげましょうか。もちろんお代はいりません』、そういったんだ」

 

 と話したのだった。



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