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第90話(会話)

 この村で、村人たちを一番初めに呼び出して集めた……一番初めの“接触者”が目を覚ました。

 宿の主人はまだ目を覚ましていない。

 ただ、目を覚ましたのも集めた人たちの三人のうちの一人だけだったが。


 とりあえず事情を聞こうと思った俺は、


「あ、目が覚めましたか」

「……誰だお前」

「あ~、これまでの出来事はどこまで覚えていますか?」


 そう問いかけるとその男は変な顔になった。

 そして何かを思い出そうとしてからすぐに首を振り、


「俺、何かをやったのか? 記憶にある範囲だと、他の二人と……確か昼間から酒を飲んでいてそこで、変な風体の旅人が来て……」

「その、変な風体の旅人について教えて欲しい。実はそれのせいで、君も含めた村人が大変なことになっていたんだ」

「大変なこと?」

「そう、何者かに操られた君達三人が、この村の人全員を集めてその人達も操られた状態にされてしまったんだ。俺達は、集団で殺されかかったしな」

「な、なんだって! ……うぐ、なんだか体が痛い」


 そこでその村人の一人は呻いて黙る。

 タタ、大丈夫か? と別の村人らしき人が言っていたので、この人はタタという名前なのだろう。

 名前を聞いたりするタイミングがつかめ無かったので、ここで分かったのは良かった。


 そう思っているとタタが、


「筋肉痛みたいに痛いというか重いというか……動けそうではあるが、なんだこれ」

「操られていた期間が長かったので変な動きをしていたのでは。他の方々はどうですか?」


 周りにいる村人に話を聞くと、体が重いといったような話が聞かれる。

 一応は癒したと言っても完全ではないのかもしれない。

 もしくはもっと重傷……いやよそう、不可抗力であったし、みんな生きているから考えるのを止めようと俺は思いつつ、


「それで、その様子では操られていた期間は、ほぼ覚えていない、そういう事ですか?」

「はい、というか俺は操られていたのですか?」


 不思議そうに聞いてきたタタに俺は頷き、


「斧をもって襲ってきました。近くに転がっていましたし……武器を持っていたらそれを使って全員が俺達を襲ってきましたからね」

「き、記憶にないです。そんな事は俺、していない」

「でしょうね。無表情になってゆっくりと歩き出したりしていましたから。普通の様相には見えませんでしたからね。ですので……最後に記憶にある周辺の事をお話しいただけないでしょうか」


 そう俺は彼に聞いたのだった。


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