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第86話 確認

 どうやら回復させる魔法は、セレンが言うにはうまくいっていたらしい。

 襲われた敵とはいえ、操られた村人だった事を考えると怪我をさせたり致命傷を負わせたりしたままであるのは、俺自身が嫌だった。

 甘いと言われてしまうかもしれないが、それがしなくて済むならばそれが良いと俺は思っている。


 とそこでセレンが近づいてきて、


「でもこんなに簡単に魔法が使えてしまうとは思いませんでした。結構複雑な魔法なんですよ?」

「そうなのか?」

「ええ、とてもではありませんが集団回復が出来るような代物ではないのですが……う~ん、“効率チート”がアキラの特殊能力チートでしたか」

「そうだな」

「……私が使っている魔法自体を、一回、“効率チート”で解析のようなことをやっていませんか? そうすると……私が使った魔法の“癖”のようなものまで再現されているようでしたから」

「そうなのか? 確かに見せてもらって魔法を使う、といった方が使いやすいような気もしていたが、そういう事だったのか」


 いまさらながら俺の“効率チート”の異常性に気づく。

 見て存在している魔法自体を、俺はこの“効率チート”で解析して、俺自身が使っているらしい。

 そして普通はこういった集団回復できないようだから、魔力の大きさも関係あるだろうが、効率的にこの魔法を起動させるなにかもこの特殊能力チートは行っているのかもしれない。


 他に選択肢がなく、たまたま引いてしまったこのよく分からない特殊能力チートが文字通り特殊な能力だと考え直す時が来ているのかもしれない。

 などと俺は思いつつ、村人たちの様子を見ることにした。

 とりあえずそういった治療系はセレンが一番詳しそうだったので、


「生きているかどうかの確認は、息をしているかと、手首の部分に脈があるかの確認で出来るか?」

「はい、それで普通の人間は分かるはずです」

「分かった。とりあえず全員に生きているか見てみる」


 それにセレンだけでなくシーナやロゼッタも確認してもらえることになった。

 俺達を襲ってきた村人はこの村の人全員ではなさそうであったのも、無力化程度に倒すには良かったのかもしれない。

 そうやって、俺達が生きているかどうかを確認していると、そこで何人もの足音が聞こえる。


 敵だろうか? それとも目を覚ました村人だろうか?

 そう思っていると村人らしい人達が数人現れて、


「何をやっているのですか?」


 その内の一人が俺達にそう聞いたのだった。

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