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第78話 意思の範囲

 加工したり出来るか、といった話を聞いて回りを見ると、確かに煙突からは煙が出ている家は一つもない。

 この世界の食べ物の事情は知らないが、少なくとも前にいた街のお店では温かい食事が提供されていた。

 ただ魔法で、そう言った煙などがあまり出ないように調理する方法もあるかもしれないが……煙突があるのだからあそこから煙は出るような気がする。


 となると、火を使ったりといった細かな作業が出来るかどうかは分からない。

 そうなると、食べ物自体も限られたものになり、ああいった食品店の書こう食ばかりをとるようになるのだろうか?


「この世界は、普通はどういった状態で穀物などを備蓄しているんだ?」

「種の状態が一番魔力が放出しにくくて保存性が効くから、その状態で保存しているわ」


 シーナの答えに、おそらく麦は収穫した後乾燥なりなんなりさせて、粒のまま保存しているのだろう。

 となると


「粉に加工したりしてパンなどを作るだろうから……そういった動作まで彼らは出来るのか? でないと食べられないよな。……水を撒くといった行動は出来るようだが」

「どこまでできるかは分からないけれど、ああいった状態で人を操ろうとすると、そこまで細かい“設定”は出来なさそう。“敵”の能力を集団で作用させたらどうなるのかと思ったけれど、これなら太刀打ちできそうね」

「そうか?」

「そうよ、アキラ、貴方のような能力を持った異世界人が、特殊能力チートをある程度自分で“考えて”、その場の“戦闘”が出来たらどれだけ危険な状況になると思う? 少なくとも、“敵”の仕掛けてきた攻撃はすべて退けられた」

「……要するに強制的に従わせるだけの状態にしていて、本人がある程度自由に目的の敵だけを攻撃できる、それを恐れていたと」

「ええ、それが否定された。これは大きな収穫よ。操る関係でそこまでうまく制御できないのかもしれない。……ただ今後はどう進歩していくかは分からないけれど」


 ぽつりとシーナは呟く。

 確かに実験段階のようだったからこの程度で済んでいるが、もしもその、ある程度意思を残した状態だやつれるとしたなら……想像するとぞっとする。

 俺がそう思っているとロゼッタが、


「この村の状況とその話も城の方に後で送っておかないといけないわね。危険すぎる」

「数日待ってもらえない?」

「それぐらいなら……セレン?」


 そこでセレンが今までで一番変な顔をして、指をさたのだった。

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