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第57話 特殊能力(チート)持ちの現地人

 シーナたちの魔法攻撃で、その崖の上あたりの草むらは氷に包まれる……はずだった。

 乾いた音を立てて攻撃が消滅させられる。

 魔法による防御がなされて壊れたガラスの破片のように輝きながら落ちていく。

 

 どうやらここには、誰か、それも魔法を使う人物がいるようだ。

 そう思っているとがさがさと草むらを音を立てながら一人の人間が現れた。

 鮮やかなピンク色の髪に、青い瞳の男だった。


 凄い色だなと俺は思っているとそこで、


「……あれは、私達の城でも見たわ」


 シーナが呻くようにして呟く。

 そこにいる人物は男性のようだったが、あざ笑うかのように俺達の方を見ている。

 そこそこ年齢は言っているように見えるが……、と、


「やはり異世界人は侮れませんな。まさか城を襲ったのに新たな異世界人がこんな場所にいて、シーナ様と遭遇しようとは夢にも思いますまい」

「……貴方、何者なの?」

「名乗るような名前は持ち合わせておりません。等の昔に捨ててしまいましたからね。……異世界人には“名前”を知ることによって相手を拘束する能力を持つものも過去にはいましたから、そう簡単にはお話しできませんな」


 仰々しい言い方の男。

 それにシーナはムッとしたようだった。

 だがそれよりも俺は気になったのは、この人物が特殊能力チートをもっていて、先程の黒い怪物などを操っていたかどうか、だ。


 だからカマをかける意味合いも兼ねて、


「お前は異世界人なのか? もし異世界人ならばどうしてこんな事を? 他の世界にまでこんな事をして……」

「ふん、お前たちは異世界人だからと言って特別待遇で特殊能力チートがもらえる。だが、それだけだ。異世界人だからというだけだ。だが俺は、“この世界の人間”なのに、特殊能力チートを与えられた“特別な”、そう、異世界人よりも“特別”な存在なのだ!」


 そう言い切っているのを見ながら俺はシーナに、


「この世界の人間は特殊能力チートを持たないのか?」

「基本的にはないわ。でもたまにそういった人間が生まれることはあると本で見たことがある。……異世界人よりも知られている例が限りなく少ないけれど」

「そうなのか……だが今、あいつがどや顔で、自分が特殊能力チート持だと説明してくれたな。自分の優位を確信しているから油断しているんか? できれば能力も知りたいところだが……やってみるか」


 俺は小さく呟いて、ある挑戦をしてみようと思ったのだった。

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