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第52話  見られている

 耳障りな音。

 明かりが見えてきた所で、あの黒い箱の怪物もやってこないのでは、と思ったが……そんな事はなかった。

 だが、なぜ今なのだろう?


 出口付近に来た所で……。


「まさか、挟み撃ちをするためにここまで上がってきたのか? 暗闇の中では確かに敵を見にくかったがその利点を捨ててここまで来たってことは……俺達の姿をある程度見ている? でも人影は無かったか」


 思い出す範囲ではこのミゲロ以外に遭遇した記憶がない。

 隠れて様子を見ていたのかもしれない、とも考えられるが……他にあるとするならば、


「この怪物達などを通して、俺達の状況を見ているのか?」

「! なるほど、それでずっと私達を追ってこれると。でも……遠距離からそんな詳しく私を観測できるものなのかしら? 近くにいたりしないの?」


 シーナが周りをそこで見まわすが俺としては、その制御できる範囲がどの程度なのかが分からない以上、どうなるかは分からない。


「どうだろうな。周辺を探せばその範囲もある程度は見当が出来るかもしれない。それよりもこれだけ沢山の情報があれば……あっても処理できるのか?」


 そう思いながら俺は、周囲に大量の監視カメラの映像があったとしてその全てから情報を得てどうにかできるのだろうかと思う。

 選択もしないといけないのに、大量に情報があっても邪魔なだけだ。

 相手が人間であれば、だが。


「シーナ、特殊能力チートは基本的に異世界人が持っているのか?」

「そうよ。ただ時々原理人でも妙な力を持っている人もいるけれど……“ステータス・オープン”は異世界人独特のもの」

「その異世界人は、人間以外に来るか?」

「来ないわ」

「分かった!」


 それを聞きながら、とりあえずは人間同士の戦いならまだ大量の情報があってもまだ何とかなるかもと思う。

 これが未来の人型コンピュータで、特定のものに特化してとなると、不安しか感じない。

 そう俺が思いながらそこで目の前の魔物が何か魔法を使おうとしているように見える。


 それを見た俺は即座に反撃するために、


「“雷の矢”」


 とりあえずは小手調べで剣をふるった。

 金色の線が一閃して、目の前の奇妙な魔物に当たる。

 不気味な音を立ててその魔物が真っ二つになった。


「……」


 あまりにもあっけない勝利に俺は沈黙する。

 こんな簡単でいいのか?

 そう思っているとそこで、俺が切り裂いた部分の肉がボコりと奇妙な音を立てて膨らんでいくのが見えたのだった。

 

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