表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/135

第44話 謎の人物

 そこにいたのは俺達と同じくらいの年齢の男性だった。

 こっちだというかのように手招きしている。

 そして背後には得体のしれない敵がこちらを追っている。


 このまま彼の手助けを受けずに逃げきれそうだが……事情を知っているのかもしれない、そう思って俺はそちらに向かう。

 するとシーナたちもこちらにやってきた。と、


「む……女の子ばかりが三人に男が一人。これは……マサト同じ異世界人の匂いがする」

「! マサトをご存じなのですか?」


 シーナが驚いたようにそう聞くもそこで目の前の男が指を一本口に当てる。

 慌てたように自分の口をシーナが抑える。

 そこで男が、俺達が来た道の方に何かを投げる。


 すると薄い石のような物が道をふさぐように広がった。

 ここに道がないように擬態する道具であるらしい。と、


「音は漏れやすいからしばらく静かにしてくれ。いいな」


 そう言う。

 だから俺達はしばらく沈黙する。


ざわざわざわ


 段々に喧噪のような高い耳障りな音が聞こえてきて、それがすぐそばで大きく聞こえる。

 同時に地面を進むようなそんな音が聞こえる。

 気色の悪い不気味なその音を聞いてしばらくすると、やがてその音が段々にここから遠ざかっていくのが分かった。


 念を押して完全に聞こえなくなるまで俺たちは待つ。

 そして、


「聞こえなくなったみたいだ」


 俺が呟くとそこでシーナが、明かりをともした。

 するとそこで先程手招きした男が、


「ふう、どうにかなったな。ようやくここまで上がってこれたというのに変なのにまた遭遇するところだった。途中であれのせいで別の助けた冒険者とははぐれるしな」


 そう愚痴る。

 なんでもここの深くまで入り込んだところで、別の冒険者が先程の怪物に襲われているのを目撃して助けて一緒にだ出しようとしたものの、再びはぐれてここに来てしまったらしい。

 その時隠れてやり過ごそうとこの方法を使ったら意外にうまくいったとかなんとか。


 また、炎で攻撃するとそちらの方に自分から飛び込む個体もいたらしい。


「おそらくは熱源に向かう性格があるんだろうな。……炎に突っ込むあたり、その設定はまだ適当ではあるらしいが……それでもそう簡単に倒せないくらいに防御力が高いのが難点だった。はあ、まさかこんな怪物が大量に繁殖しているとはな。“トレジャーハンター”の名が廃るぜ」


 などという話を聞いて俺は気づいた。


「ひょっとして貴方は、ミゲロさんですか?」


 そう俺は問いかけたのだった。


評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ