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第30話 魔物について

 シーナに手を引かれて森の中を俺は進んでいく。

 時々地図を確認しながら、道になった場所を歩いていく。

 今のところ冒険者らしき人物や、先程のロゼッタ達とは遭遇していない。


 先にあのダンジョンに潜ったのか、それともまだ森を探しているのかは分からない。

 いずれにせよ、俺たちは場所が分かっているのでそちらに進むのみ。

 また今回の戦闘でシーナの魔法を幾つか見せてもらうことになった。


 そして目の前には今、モグラのような魔物が三匹ほど現れて俺たちに襲い掛かろうとしている。

 なんでもこの世界の魔物は特に人間を食らうと強くなるらしい。

 魔力を吸収しやすく、人間の持っている魔力容量や回復能力などを手に入れているそうだ。


 そんな説明を先ほどシーナにしてもらった俺は、気持ちが悪いと思いつつも襲おうとしてくる魔物をけ機会する。

 そこでシーナが、


「“氷姫の息吹”」


 そう言って手を前に出して杖を突きだす。

 その先には青白い光の魔法陣が現れて冷気のようなものと一緒に鋭い氷が幾つも現れる。

 その氷が次々とモグラに当たったが一匹逃して、それが俺の方に向かってくる。


 だから俺も目の前に手をかざして、


「“氷姫の息吹”」


 シーナの使った技をまねた。

 同時に俺の目の前に光の魔法陣が現れて、次にに氷が現れて攻撃する。

 破壊するような大きな音がして後には魔石が何個か転がる。


 それを拾いながらシーナが、


「でも異世界人は羨ましいわ。こんな風に見ただけで使えるようになるんだし。“効率チート”なんてすごい能力を持っているのも、本当に羨ましいわ」

「とはいっても俺、まだシーナに見せてもらったりしないと使える自信がない。とりあえず今見た魔法を紙にメモしておかないと。後で何度か練習しないと……」

「真面目なのね。……でもあなたが想像するようなこの世界に存在しない魔法持つかってみてもいいんじゃない?」


 シーナに言われて俺は、もしかして俺がゲームや小説などで見た魔法が実際に使えるのではと気づいた。

 この能力は“概念”にも作用する。

 だから起こしたい事象を上手く組み立てればそれを引き起こすことができるかもしれない。


 けれど今初めて遭遇した魔法という事象を、俺自身が持てあましている部分もある。

 もう少しこの世界の魔法に慣れてからの方が良いかもしれない、そう俺が考えているとそこでシーナが、


「ようやくダンジョンに着いたわね」


 そう言って指で指示したのだった。

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