第3話 装備確認
『では効率チートということで』
そう言われて俺は何かが自分の体に追加されたように感じた。
イメージで言うと、腕が何本か追加されたような感じだ。
日常生活に便利だな、などと思っていると、
『あ、やっちゃった。出現ポイント、お菓子を食べる時にずらしちゃったけれど、まあいっか。大丈夫なはず』
などという非常に無責任な声が聞こえた、何か言い返そうとしたところで俺の意識は完全に途切れたのだった。
そして次に感じたのは風だった。
どうやら俺は目をつむって転がっているらしいとすぐに気付く。
しかもすぐに目を開けると目の前には青い空が広がっている。
雲一つないよく知っている空だ。
そしてさあっと再び風が吹いて葉っぱが飛んでいくのが見える。
濃い緑の匂い。
森のそばに俺はいるのかもしれない。
そう思って俺は背伸びをするように立ち上がった。
それから周りを見回して、
「本当の森だらけだな。一応俺から向かって左側に道らしきものがあるが、そこをどっちに歩いていけばいいんだ?」
どちらも深い森になっていて、どう歩いていけばいいのかよく分からない。
誰が人が来たら町がどこにあるのかなど聞いてもいいのだろう。
でも、その前に、
「送る場所を間違えていたような……その場合、特殊能力の説明はどうなるんだ? というか特殊能力の使い方もまだ分からないしどうするんだ」
一人呟くが、説明のような声はなにもない。
どうやら『ここからは一人で頑張ってね!』ということらしい。
どうするんだこれ。
俺は頭を抱えそうになったが、そんな事をしていても、何か自体が進展するわけではないのであきらめて、周りに散らばったものと、持っているものを確認する。
学校からの帰り道だっため、教科書の類はある。
筆記用具類から、スマホといった通信機器、財布。
そして見覚えのない袋。
何だろうと開くと小さな袋のわりに中には明らかに数倍以上の体積はあるような金貨が詰まっている。
おそらくは見かけに反して中は広いという、ゲーム内に出てくるあれだけの装備やら食べ物、アイテムが入ってしまう、持ち運びできるような道具袋……のようなものだろう。
それからスマホをつけてみると、電池の所に、∞、といった無限のマークが表示されていて充電の必要はなさそうだ。
他にも流れてきた広告から、ネットに繋がっているのは確からしい。
後は周囲にあるコンビニでアイスと一緒に買ってきたお菓子を俺は見つけたのだった。
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