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第22話 うどんのお店

 結局この日は夕食を食べに行くことになった。

 そういえばこの世界の食事は一体どんなものなのだろう。

 異文化交流となるだろうが……何が出てくるのだろう。


 といった俺の不安をよそに俺を連れて行ったのは、“うどん”と日本語でかかれたお店だった。

 そう、駅前などにあるような、そんな雰囲気の入口にかかっている、のれん。

 ただ普通のおしたりするドアの部分は喫茶店のように見えるが……だがこれは本当にうどんなのだろうか?


 うどんに似た別の、俺を狂気の淵に突き落とすような物体ではないのか?

 といった俺の不安は全く意味のないものだった。

 まず注文表は見慣れたものだらけで、


「私はかき揚げうどん」

「……俺もそれで」


 そう返した俺。

 周りを見ると七味もある。

 そろそろここは異世界ではなく本当は俺の夢の中なのでは、といった気持になる。


 するとシーナが嬉しそうに、


「うどんを食べるのは久しぶりだわ。一時期この世界でブームにもなったけれど、あまり自由には私、食べに行けなかったのよね」

「ブーム……異世界でうどんがブーム……」

「? ああ、アキラには話していなかったわね。この世界には異世界料理人カズという、有名な異世界人がいてね。彼は旅をして異世界の料理をこの世界に広めているの。多国籍? だそうだから、故郷の味をこの世界でも堪能できるらしいわ」

「そうなのですか……」

「そうそう」


 といった話をしているとそこで、店に新たな人物が二人やってきた。

 彼らは俺たちの隣のテーブル席に座る。

 ただそれだけの……はずだった。


 そこで、シーナの反対側にいた男が、


「おい、聞いたか。ミゲロのやつまだ帰ってきてないらしいぞ」

「まじかよ。昨日の夕方に“東の森”に行ったんだろう?」

「そうそう。……あそこは最近妙に魔物が多くて……」

「でも伝説の武器だか何だかあそこに眠っているって噂があるからって探し委に行ったんだろう?」

「トレジャーハンターの血が騒ぐとかなんとか……異世界人に命を救われたのにまたやらかしたらしい」

「そういえばたまたま異世界人の“マサト”に助けられたんだったか。また異世界人に助けてもらえるような幸運がそう何度もあるとは思えないが」

「そうだよな……」


 といったお話をしている男性が二人。

 そして俺達が探している異世界人の“マサト”と接触した人物が、現在丸一日帰ってきていないようだ。

 これは助けに行くフラグか? と俺は気づいた所でシーナがその二人に声をかけたのだった。





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