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第19話 友人を確認しました

 どうやら目的の異世界人はいないらしい。だが、


「いないのは分かったが、これから町に行く度にこれをするのか?」

「こちらの方にいっていたはずだから、多分どこかで引っかかるとは思うけれど……」

「だが、途中で幾つかの町に行くのに道が分岐していたりしないか?」

「そ、それは……」

「そこを一つづつ探すのも大変か。ヒントの一つや二つ、ゲームや物語の人探しサブイベントならあるんだが、現実だと……待てよ?」


 そこで俺は考える。

 もしもこの魔法が“魔法を効率的に使う”に作用するのであれば、


「その、マサトという人物を探す“ヒント”が見つかってもいいわけだ」

「!そう、それはいいわ!」

「でもそうなるとどうしようか。その痕跡のようなものは、“ステータス・オープン”関連でどうにかなるのか? それとも本人に由来する何かがあればいいのか? シーナは何かを持っていたりするか?」

「……ないわ。話したりするくらいで……あ、前にお土産で石をもらったけれど……彼のものってわけではないし、そもそも紙に包まれていたから触れていない」

「そうか……ん……マサト、ね」


 俺はそう小さく呟いてからシーナに、


「そのマサトという人物の高校の名前、クラスは教えてもらっていないか」

「夕霧高校の一年三組だったかしら。よくそれを言って名前まで名乗っていたから」

「……よく似ているな。俺に友人に……そうだ、スマホ!」


 俺は今更ながら思い出して、慌てて探し始めた。

 世の中にそっくりさんが三人はいるというが、ここまで同じな人間はいないと思うのだ。

 しかも制服は最近、形が変わったばかりのおまけつき。


 ……未来人だった場合はもう知らないが、短期間で同じような名前で同じような顔の人間が同じところに通う、いや、もしや並行世界の人物かも……そこまで考えて俺は考えるのを止めた。

 そしてスマホの写真をシーナに見せる。


「こっちが俺で、こっちが友人のマサトだ」

「! マサトだわ、私の知っている!」

「よし、だとするとマサトに貸してもらっている漫画が一冊ある。これを使って……この世界に来て俺達が変質していなければ少しは参考になるだろう」


 と俺は漫画を取り出し、特殊能力チートを使ってみる。

 俺の不安はいい意味で裏切られた。


「『ヒントはこちら』ここから近いな」

「早速行きましょう!」

「え、おい! 引っ張るな!」


 そこでシーナに手を引かれて俺はバランスを崩し、ベッドの方に倒れこんでしまったのだった。

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