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第17話 これだから異世界人は

 “触媒”という名の、この前も授業に出てきたような物体。

 それは一体どんなものなのか。

 気になったので聞いてみると、


「魔法を使う時に、その魔法が発動しやすくなる存在、といった所かしら。魔法を効率よく引き起こす道具……“効率チート”の下位互換のようなもの」

「それは時間経過の劣化は考えないとして、その存在自体が変化してなくなったりする、というわけではない?」

「……よく知っているわね。そういうものもあるけれど、大抵は一回で使いっきりね。でもどうして聞いたの? そちらの世界で似たようなものがあるの? 魔法のない世界なのでしょう?」

「魔法はないが、“科学”はあるんだ。そしてその範囲で似たようなものを指す言葉があるが、それが先程俺が聞いた内容と同じなんだ」

「そうなの? ……でも意味が少し違うみたいね」

「そうなんだ。どうやら“似たようなもの”ものをそういった形で翻訳して俺は聞こえているらしい。だからニュアンスが違って聞こえるのかもしれない。今後注意しよう」


 俺はそう考えて一つ頷いた。

 それからシーナが、


「それで“効率チート”は“概念”で使ったりもできそうなのね」

「起こしたい事象の“過程を省略”しているような能力、そして今回のように使うと俺自身が“設定や制限”をかけれる、もしくは、能力の範囲で限定的にではあるが……多分、ここ周辺の探査や解析が行われているのかもしれない。この世界には、欲しいものなどを周囲に探査したり、何があるかを解析したり、そういった魔法はあるのか?」

「一応はあるけれど、知っていないと無理だしそれに……これくらいの大きな町ならそれを避ける結界もあるはず。それが機能しないというのは、結界そのものを無力化しているか、でもそれなら結界よりも大きな強力な力で潰しているから衝撃が大きいはず……でも先程はそれがなかった……まさか、その結界のようなものを解析して、“穴”のようなものから入り込んで街そのものを探査解析を行っていて……だから、気づかれていない?」


 シーナがはっとしたように言う。

 そして今の話を聞いていると、


「なんだか凄そうな事をしたような気がしてきた」

「凄い事よ! はあ……これだから異世界人は……でもそうね。こんな風に“概念”でどうにかできるなら、異世界人のマサトが“何処”にいるのか“探査”出来ないかしら?」


 シーナは俺にそう聞いてきたのだった。



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