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第123話(解決済みよ)

 俺の能力をわざわざ敵であるこの人物に話す必要はない。

 そう俺は思って答えると、


「どの道マサト以外にも、私の能力を“相殺”できるような異世界人がいたと、そういう事か。……消さなければならない人物がもう一人増えたな」


 敵の言葉を聞きながら俺はちらりとマサト達の方を見る。

 マサトの周りには三人ほど美少女がいて、仲間になっているようだった。

 戦力的には俺達の方が圧倒的だが、油断は禁物だった。


 それに俺は気になることがある。


「あの町に魔物を集めていたのはお前か?」

「それはこことエリス共和国の境にある町か? あそこの周辺に魔物を集めて、マサト達を足止め及び消耗させる作戦だったが、どの程度効果があったのやら。これから試してみますがね」

「指揮官自ら偵察とは、末期だな」


 そう挑発すると敵は嗤った。


「近くで戦況を確認し、手を打った。おかげで、マサト達がいなくなったと同時にエリス共和国の城はわが手に落ちていたでしょう?」

「私の城に何をしたの!」


 そこでマサトのそばにいた一人が悲鳴じみた声を上げた。

 彼女がエリス共和国の“姫”であったようだ。

 するとそこで敵は、


「今頃あの城の使用人たちは、全員操られている事でしょう。お城の兵の人も一部いたでしょうか? 彼ら全員、操られて、私が命じれば城の人間を皆殺しにすることもできるでしょうね。それにあの魔道具たちもいますからね」

「……一部の国民がおかしくなっているから、マサトに解決してもらったと思ったのに……」

「それだけで終わりと思わせて油断させる。それでどうされますか? 今すぐあちらのお城に戻りますか?」


 そう挑発する敵に答えたのは、シーナだった。


「そちらの方は、こちらで解決済みよ。マサトの居場所を聞きに行くついでに解決をしておいたわ」

「なんだと?」

「ここにいる私達と一緒にいるアキラのおかげよ。操る元となっている“操作の樹”は村の物も、城の物もどちらも破壊させてもらったわ」


 その言葉に、敵の表情は完全になくなり、少し黙ってから、


「“操作の樹”。あれを壊すと死ぬはずですが」


 等という。

 下種としか言いようのないその言葉を平然と言ってしまうこの敵に俺は、ある種の苛立ちを覚えながら、


「……試作品なのでその効果が表れる保証はない、そう書かれていた。“ステータス・オープン”ではな」

「やはりあの女は使えませんね」


 そう、感情のない声で敵は言ったのだった。

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