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第115話(伝言)

 夜が明けてすぐだというのに、ミゲロはそこにいた。

 どうしてここに彼がいたのだろうと思っていると、何でも、俺たちがいなくなってからマサトが来る前ごろに、町に魔物が襲い掛かったらしい。


「それで俺も魔物狩りのお手伝いをしていたんだ。それで、そこで丁度……まるで“マサト達を待ち構えていた”かのように魔物が沢山現れて戦闘になったんだが、手に入れた魔道具などで戦闘して倒していたな。他にも何か、伝説の道具を手に入れたらしくてそれも使っているとかなんとか」

「分かりました、マサトがここにきて戦闘をしたのは。それでそのマサトはどこに行ったのですか?」


 俺は、少しでもマサトがどこに行ったのかを知ろうと思ってそう聞くとそこでミゲロが、


「そうだったな、急いでいるんだったな。ここで魔物を短時間で倒したマサトだが、急いで……そちらのお姫様の城に戻ろうとしている所で、俺は遭遇したから、お姫様たちが追っていったのを伝えておいたよ。そうしたら、入れ違いになったが、先に城に戻ると伝えてくれと俺は頼まれた。というわけでここと、もう一つの道の所では知り合いに見つけたら伝えるよう伝言を頼んで俺はここで待っていたというわけさ」


 そうミゲロは俺達に言う。

 どうやらマサトは先に城の方に向かって行ってしまっているようだった。

 ここで合流できれば、と俺が悔しく思っているとそこでシーナが、


「マサトは、私の城のことを知っていたの? そういえば、エリス共和国で……どうして私の城が襲撃されたのを知っているのかしら」

「なんでも、そのお城をどうにかした“敵”に自慢するように言われたらしい。それで慌てて、お姫様の城に戻ることにしたらしい」

「……どうして話したの? 何か罠を仕掛けているのかしら」


 シーナが呻くように呟く。

 それにミゲロがすぐに、


「だが思いのほか早かったな。マサトがここを去ったのは一時間くらい前だ。ここの町の襲撃で“足止め”されていたせいか、すぐにでも急げば追いつけるかもしれない」

「“足止め”……それも敵にとって、何かの策略の一部なのかしら」


 シーナがそう付け加えて、けれどすぐに気を取り直したように、


「ミゲロ、伝言をありがとうございます。早速出発します」

「ああ……がんばれ」

「ええ、頑張るしかないわ」


 深刻そうにシーナはそう答えて、俺達はその街を後にしたのだった。



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