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第114話(初めの町)

 一番初めにやってきた町。

 俺が一番初めにたどり着いた町だ。

 封鎖された道の方があの町には早く着くと聞いて、そちらの方を選択した。


 途中、珍しく魔物と遭遇して、しかも夜明け前に釣りに行った以前のあの料理がおいしい宿のおじさんが魔物に襲われていたので手助けをする。

 助けるとお礼を言われて、さらにいくつかのことを話してくれた。

 なんでも、その魔物に襲われるそこそこ前に、一台の奇妙な……御者のいない馬車が走っていくのを見かけたらしい。


 普通は御者がいるはずなのに、狂ったように馬が走っていたのだそうだ。

 そしてそれが通り過ぎた時、遠くで魔物の雄たけびが聞こえたが、大丈夫だろうと高をくくって釣りに行き、魔物に遭遇してしまったらしい。

 その話にシーナが、


「もしかしてあいつが関係しているのでは? 人が操れるなら、馬だって操れるはず」


 どうやらこの道を、“敵”も移動しているらしかった。

 だがそうなってくると、本体が今は移動しているのか? とも俺は考えたが、


「どの程度操れるのかは分からないが、人形かもしれないのか。でもそうやって人形を移動させるのにどんな意味がある? ……マサトがいなくなってから、あのエリス共和国をあの状態にして、今はまた魔物を呼び寄せている?」

「……工作用の人形、厄介ね」


 シーナがそうつぶやく。

 次々と自分の操れる人形を投入して、仕掛けをしていく。だが、


「もしかして、マサトを敵は追っているのか?」

 

 俺の疑問に、こちらの手の内が読まれているとシーナがうめく。

 どうやらマサトの能力が“敵”にとって都合が悪いと気づかれているらしい。

 暗い空気になっていた所で、先ほど助けた宿のおじさんが朝食をごちそうするというが、急いでいたためお断りをすると、ちょうど焼き立てのパンがあるからと幾つか貰う。


 それからさらに進んでこの場所では町が一望できる。

 確かに歩いているときいくらか傾斜があった気がしたが、これほどまで高い場所になっていたとは俺は振り返りもしなかったので気づかなかった。

 そうこうしている内に、町の出入り口の所にまでやってくる。


 そこで確認してもらうも、エリス共和国の方の特別な馬車ということですぐに通してもらえそうになった、のだが。


「あ、やっぱりこっちから戻ってきたか。あっちの方にも伝言はしてあったが、好都合だな」


 そういって、ここでトレジャーハンターをしているミゲロと俺達は再開したのだった。



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