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第107話(推測と脅威)

 どうやら魔族の国の方の動きが活発らしい。

 それだけ事態を重く見ているようではあるが、そうなるのは避けたいとなるとここの件を処理し、急いで戻ればぎりぎり介入を避けられるのかもしれない。

 ただそのロゼッタの様子を見ながら俺は、


「遠方との連絡手段がこの世界にはどの程度あるんだ?」

「文字を送る程度。遠距離との通信……これは魔族の、それも特別な技術で作られたものだから、秘密にしておいて」


 そうロゼッタにいわれたので俺は頷いた。

 シーナも遠距離通信……と呟いていることから、この世界にはそういったものは存在しないらしい。

 けれどそういわれてみれば、マサトをこのように探しに行く手間は……その連絡所を抑えられたら終わりか、と俺は思う。同時に、


「その“ミコ”という俺たちの世界から来た世界人はどの年代の人間だろうな」

「どうしたの、アキラ。何か気になるの?」


 シーナに聞かれて俺は黙ってから、自分の特殊能力チートなどを考えつつ、


「俺達の世界では、遠距離通信は、目的の相手に対してだが……ほとんど瞬時に、文書でも音声でも……映像でも、届けられる」

「……え?」

「多分まだ、この世界の人はそこまで技術が進んでいないから思いつかないのかもしれない。でもそういったものが“存在する”と“知っている”人間がいて、その技術が場合によっては必要であるなら……特殊能力チートで作れるんじゃないのか?」

「その“ミコ”という人物の力を持ってすればできると? 怖いわね」

「そうだな。そして敵もすでに手に入れていたら嫌だなと」


 俺のその言葉にそこでロゼッタが、


「……このゾンビか何かみたいな人たちに、連絡をできるだけの意思があるのかしら」

「……そこまで複雑なことはできそうにないな、まだ」


 そこまで話してまだ大丈夫そうだと思った俺たちはようやくセレンに言われた場所にたどり着く。

 どうやらこの部屋の中の方か、上のほうから聞こえているらしい。

 だから内部に入り込むと、


「……もう一つ上の階みたいですね」

「急いで戻るわよ。あいつらが目を覚まさないうちに」


 そうシーナが言って、俺たちは階段まで戻り上の階に進む。

 そこでは再び黒い箱のような怪物が沢山沸いている。

 それらを倒しながらセレンに音の方向を探ってもらい、俺達はとある使用人たちの部屋らしき場所(メイド服などが置かれている)にやってきたのだった。



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