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第106話(悪いニュース)

 無表情でこちらに向かってくる城の使用人達。

 村人達で一度見ているとはいえ、この微妙に統率の取れた動きは気持ち悪い。

 けれど、早めに倒して目的のものを見つけなければならない。

 

 そういった理由から俺は剣を再び構えて、とりあえずは室内であるという点からも風系の魔法攻撃をしようと決める。

 使うならば、先ほど門番を倒したものと同じでいいだろう、と俺は思って、


「“疾風の影”」


 そう呟くと同時に、剣を奮う。

 目の前にいた数人が倒れるも、室内という範囲で手加減してしまったせいか何人かが立っている。

 そこで俺の左右をシーナとロゼッタが駆けて行って、


「“輝ける雷”」

「“凍える風”」


 そういって、周りが一瞬明るくなり、雷のようなものが周囲に走る魔法と氷のような冷気の魔法が使われる。

 俺の取りこぼした数人が一瞬にして倒された。

 と、シーナが振り返り、


「次に行くわよ。セレン、まだあっちの方に聞こえる?」

「は、はい」


 セレンが答えて俺もそうして走っていく。

 だが背後の足音を聞いて振り返ると、戦闘している間に反対側の人間たちも追いついてきたようだった。

 とりあえず、音の方向の確認に集中してほしいから前方の事はシーナとロゼッタ達に任せて、俺は後ろを振り向き、二度ほど先ほどの魔法を使う。

 

 幸いにも背後からこちらを襲ってきている人間たちはそこまで多くなく、二度ほどの攻撃で取りこぼしも含めて倒すことができた。

 そして振り返ると、シーナたちが戦って倒した人数はそこそこ多く、そして使用人たちも片手で数えられる程度に減っていた。

 と、ロゼッタが眉を寄せる。


「……こんな時に」

「どうしたの?」

「シーナには悪いニュースになるかもしれない話よ」

「……それは、魔族の国本国から何か連絡が?」

「そうなるわね。でもちょっと手が離せないから、これらを倒してからね」


 と言ってロゼッタとシーナでそこにいた残りを倒す。

 そしてロゼッタがそこで自身の耳飾りに触れて……眉を寄せた。


「シーナ、貴方の国に介入が決定したらしい」

「! そんな! もう少し待ってもらえないの!?」

「シーナ、貴方の国は一応、一目置いていたの。そこを支配されるのは危険……それは分かっているわね」

「……ええ」

「それでここから貴方の城まで、急げば二日くらい?」

「……そうね」

「準備期間も含めるとぎりぎり。そして今は夜間だけれど、とんぼ返りすれば間に合うかもしれない」


 ロゼッタがそう言ったのだった。



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