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第105話(音の反響)

 一つ上の階へとやってきた俺達。

 現在踊り場にいるが、どちらの道を行った方がいいか、それとも上の階の方がいいかとセレンに音の方向から決めてもらう事になったが、


「音が反響して、上のような、右側のような音になっています」

「となるとこの階をまず見て回ってからの方がいいのか。……俺の“効率チート”を使って、反響した音を消してみるか?」

「確かにそれはいい方法かもしれませんが……いえ、音は、反響するからこちらにまで聞こえてくるので、消してしまうと本来のものも聞こえなくなるかもです」

「だが、試してみる価値はあるんじゃないのか? あ、でも俺自身が主たる音が分からないのか。……だがとりあえずはやれるだけ試してみる。ある程度柔らかい設定でも俺の特殊能力チート、“効率チート”は発動するようだから」


 そういって俺は自分の能力が使えるか試してみた。

 するとすぐにぴくっとセレンが反応してから、


「全く何も聞こえなくなりました」

「そうか……ふわっとしすぎな設定だからこれでは全部消えるのか。何かいい設定はないか」

「えっと、そろそろ嫌ではあるのですが、音を聞こえるようにしていただければと思います」


 セレンがそう俺に言ったために、俺は自分の能力を抑えるようにと考える。

 セレンの表情が嫌そうな顔になったかと思うとすぐに、


「あれ? なんだか今、音が変わってる。というかロゼッタ様、先に探しに行こうとしないでください」


 ロゼッタとシーナは俺が何かをしようとする前に、様子を見に行こうと先を歩きだしていた。

 だが、ある地点を超えると、セレンは違う音を感じたらしい。

 そういえば“操作の樹”も確か、俺たちが近づいた時にこれまでとは違う“異音”を出していた気がする。


 そう思い出した所で、俺たちの進んでいる廊下の扉が一斉に中から開いた。

 ばたんと大きな音を立てて次々と人が姿を現す。

 この城の使用人であるらしく、メイド服を着た女性などが主だった。


 だが、その目はあの村にいた人たちと同じように虚ろで無表情だった。

 それらが次々と部屋を出て俺達の方に向かってくる。

 しかも先ほど上がってきた階段の反対側からも、部屋から人が出てきて挟み撃ちにしてくる。


「また随分と大人数だな。とりあえず全員一時的にしびれさせて、音のする方向を探していくか?」


 俺の言葉にシーナとロゼッタが、俺の魔法があまり効かなかった相手を私達が無力化すると答え、そして俺たちは走り出したのだった。 


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