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第100話(百話目です)

 これまで来た道では、マサトには遭遇していなかった。

 そうなると囚われている可能性が高いのでは、と考えたがすぐに俺は気づいた。


「確かあの操られていた村への道は封鎖されていたのか。だからその道は通らずにいて……それで、シーナ、こことシーナの国との道はさっきの封鎖された道以外にあるのか?」

「あるわ。でも確か、私達が一番初めにたどり着いたあの町に繋がっているはず」

「そうなのか……だが町についた時点でマサトたちがあの街に来たらしい話は聞かなかったな。広い街ではあったから気づかないのも当然かもしれないが」

「そうね。となるとあの町にいる間か、村にいる間に入れ違いになったのかもしれない。アキラと出会ったのあの道は私の国とつながる唯一の道のはずだから」

「となると短期間で入れ違いになったか、あの城にとらわれているのか、か。……城に向かう選択肢には特に影響はなさそうだ。……いたっ」


 そこで、町のせいか人が多くなっていてその中を走っていた俺はだれかと手が強くぶつかってしまう。

 黒いローブを着た人物でフードをかぶっていたため顔が見えない。

 旅装束を着た人物で、この町の人物ではないかもしれない。


 だが随分と激しく当たったようで手が少し痛い。

 それに石か金属のような冷たいものを押し付けられたような感覚はあったが、気のせいかもしれない。

 今はそれどころではないのだから、考えるだけ無駄だ。


 けれど俺の中でまだ何かが引っ掛かる。

 そう思っていると更に人だかりができている場所にやってきた。

 それは城の架け橋の前だ。


 門番らしき人物が……焦点の合わない目で棒立ちになっていて、町の人に詰め寄られている。と、


「うう、すごい大音量で聞こえます」


 セレンがげっそりしたようにそう告げた。

 それにそれまで聞いていたロゼッタが、


「セレン、もう一度音のする方を探れる?」

「うう……はい、頑張ります」


 それに頷く。

 セレンに音を聞き分けてもらい、“操作の樹”を探ってもらうことにした。

 後は、と思って城を見上げながら俺は、


「この城にどうやって入り込むか、だな。普通は入れ来と思うが……」

「……城の門番もあのような状態だと、力技で潜入するしかなさそうね」


 シーナがぽつりと言って、ロゼッタが頷く。

 そして城への桟橋はちょうどかかっていて、門番は二人。

 ただし洗脳中のようだ。


「「そこにいる人達、離れて!」」


 大きな声でシーナとロゼッタが叫んで駆けだしたのだった。 



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