表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/135

第1話(異世界転移は突然に)

 九月に入って暑さが和らぐということもなく、そんな暑いある日、俺、定木瑛さだきあきら16歳は、アイスを買い食いしながら帰ってきていた。

 ソーダ味のこのアイス。

 あたりが出たらもう一本だから出ないだろうか、といったような事を考えつつ、外れを引いてしまった。


 当たった試しがないので、よくあることと片付け、特に不安すらなく俺はそのままどこかにゴミ箱はないのかと周りを見回した。

 黒々としたアスファルトと住宅街が広がるそんな道で、ごみ箱の“ご”の字も見つからない。

 そこで俺は、突如足元に開いた謎の丸い穴に落ちた。


「え?」


 すぐに俺が元居た昼間の光に満たされた光景が円の形になり……やがて点になり見えなくなる。

 あたりは暗闇に満たされて何も見えない。

 一体何が起こっているんだ、は! もしや。


「これは異世界に転移しているのでは!」

『正解でーす』

「いや、そんな答えはいらないので、俺を元の世界に戻してくれ! 読みかけのラノベが今、クライマックスなんだ!」


 そう、昨日夜遅くまでラノベを読んでいた俺は母に気づかれ電気を消され、結局今日は学校もあったがために一度も続きが読めていない。

 続きが気になって堪らなかったのに、と思っていると、


『でもこれから待っているのはファンタジーラノベの世界を身近に感じられる場所だよ。ぜひおススメ』

「いや、帰してくださいお願いします。ネットに繋がらない世界は絶対に行きたくないです」

『うーん、こちらと君達のいた世界の“時間軸”がちょっと違うから修正は必要だけれど、それでよければネットを繋げられるようにするよ!』

「では、資金は、資金はどうなっているんですか!?」


 いきなり資金ゼロからの異世界転移はさすがにきつい。

 説明してくれる人もいないだろうし援助も得られないのは大変だ。

 そう俺が言うと、


『ではサービスの一万ゴールドから~』

「それで、一体俺に何をやらせる気ですか」


 声が聞こえたので、一番初めに聞くべきことを俺は今更ながら聞くと、


『……』

「沈黙した。地雷の匂いしかしない。これはもう帰るしか……」

『あ、それはもう無理なので、次の好きなボタンから特殊能力チートを選んでください。押すとランダムで三つ能力が現れるので、その中から好きなものを一つどうぞ。でないとこっちで適当に選ぶ事になりますが』


 などと謎の声が聞こえた。

 そして俺はどうするか、考え始めたのだった。


評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ