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熊村での修行

 それから熊村での修行の生活が続いた。治癒小屋での寝ずの番も割り振られて、これまで以上に辛い日々となった。治癒小屋の患者は、魔法のお陰で比較的短期間で回復していくが、周りの村々から重傷者が入れ替わり入ってくるため常時何人かの患者がおった。


 ただ、回復薬の作成などトンビ村では教えて貰え無かった事も多く、充実感はあった。また、最初は行き違いもあったが、3人娘らとも良好な関係になり、お互いの村の様子など面白い話しも沢山聞けた。


 三人の娘の事情も分かった。基本的には、修行期間は二年でそれぞれの村に戻ることになっている。三人のうち最も年上の狐村のアカハナは実は成人していて村に帰ったら村長の息子と祝言を挙げる予定じゃった。兎村のハヤドリと蟹村のサザナミは、13歳と10歳でそれぞれの村の呪術士の長女じゃった。


 性格については、アカハナは折り目正しいしっかり者、ハヤドリは機敏で少し勝ち気なところがある。サザナミは、おっとりした娘じゃった。


 熊村にいる見習いは他に、イモハミ婆さんの孫娘達だけだ。その筆頭のハナハミさんは26歳と既に結婚して子供も居る。しかし、熊村流儀では、呪術士=魔術士なので見習い扱いされる。

 なお、熊村の正規の呪術士は4人であり、イモハミ婆さんと親族では長女のシカハミさんと三女のカワハミさん、親族以外では去年13歳で開眼した天才のスミレ坂だ。


 二年の修行期間の食料や謝礼は、送り出す村にとって大きい負担じゃが、魔術が使える者が居るか否かは大きいので修行の希望者が途切れることはなく、3〜5人が入れ替わりで修行しているそうだ。

 男性しかもこんな幼少の修行者は、珍しい。アカハナは最初、ワシの事をイモハミ婆さんのひ孫だと思っていたそうだ。血縁関係が無いことに酷く驚いておった。


 そして二ヶ月ほどたったある日、朧げながら魔力を感じていることに気づいた。その日の朝の見回りの時、ワシをまじまじと見つめてから、イモハミ婆さんは言った。


「タツヤや、一度自分の中の力をワシの力の流れに注ぐ事をイメージしてみなさい」


 どうやれば良いのか自信は無かったが、ワシはイモハミ婆さんに手を添えて念じてみた。そうすると、ワシの中から魔力が流れていくのを感じた。これが、魔力操作というものなのか?

 イモハミ婆さんは、続けて言った。


「それでいい。暫くは、そうやって力を流す事だけ考えなさい。ただし、気持ち悪くなったらそれ以上はしない方が良いよ。まあ、最初は失敗して気絶したり、寝込んだりするのが普通じゃがの。ともあれ開眼おめでとう」


 朝の見回り後、村にいる呪術士と見習い全員がイモハミ婆さんの家に集められた。

 そこでイモハミ婆さんからワシが開眼した事が紹介された。


「今日、トンビ村のタツヤが開眼した。これから暫く奥義についての基本的な事柄を教える必要がある。スミレ坂と見習い達は、復習の意味で一緒に聴くようにしなさい。手すきになる治癒小屋については、村長に言って村の女手を廻して貰う」


 慣れた感じで、ワシの魔術教育の段取りが説明されていった。何でも開眼したてが最も危険で、最悪の事故だと本人だけでなく周りの者の命も危うくなる。そのため、急いで最低限の事を教える必要があるそうじゃ。

 午後の講義の後、ふとクエストの事を思い出したら、頭の中にイメージが浮かんだ。


【魔力操作習得クエスト完了】

 クエスト報酬:世界知識初級1つ、地方知識中級2つ


 世界知識じゃと!意識した瞬間一つの地図が思い浮かんだ。大陸の配置は、似ていると言われれば前世と対応が付くが別物じゃな。

 ・南極大陸が無い。

 ・ハワイの辺りに大陸……ムー大陸?がある。

 ・北アフリカは、幾つもの島々に分かれている。

 ・南北アメリカは分断している。

 ・アフリカ大地溝帯は、幅100km程度の海だ

 ・東シベリアも、幅100km程度の海で分断されている。

 ・巨大カスピ海?がトルキスタンを大きく侵食してる。

 他にもさまざまな違いがあった。


 そういえば日本は?日本のあった位置は列島というより群島じゃな。無理して対応させれば、北海道、北本州、山陰山陽島、紀州島、四国、九州に対応できるか……ただ、対応出来ない大きい島が周りに四つ五つあるし、無意味か……

 ここは、九州に対応出来る島か。形は…筆記体のnの字に近い。鹿児島湾が北に伸びすぎ、阿蘇山辺りまである。


 地方知識もあったな、トンビ村と熊村はどうなっている?意識を向けると、この島の村の配置が思い浮かんだ。ここは、島の北側か!しかし、結構村が多い。100は完全に越えているな。後で数えてみるか。

 もう一つの知識は何じゃ?島の露鉱配置じゃと!ああ、案外種類が多い。鉄鉱石と硝石もあるのか、ひと安心じゃ。


 色々考えている内に新しいメッセージが浮かんだ。


【クエスト:魔物狩り】

 人を脅かす妖魔と魔獣を倒し力を付けよう。

 魔力によって出現した魔物を倒した場合は、その力の一部を吸収出来る。小鬼20匹前後で1SP相当のレベルアップが出来る。まずは、1SP分を目指して積極的に闘おう。

 クエスト成功時報酬:鑑定1Lv

 クエスト失敗時罰則:無し

 クエスト期限:10年(或いはクエストの継続を断念した時)


 これも……やらねばならんのか……



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