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起
昔々ある所に一人の旅人がおったそうな。
今にも雨が降りそうな夕暮れ時、旅人は山の中を彷徨っておった。
間もなく雨がパラパラと降り出した。
すると、遠くの方に1つの小さな光が見えたんじゃ。
旅人が光に向かって歩いて行くと、そこには小さな屋敷が立っていた。
旅人は一日歩きっぱなしで大層疲れておったから迷わずその屋敷の戸を叩いた。
『道に迷った旅の者です。一晩宿を貸してもらえないでしょうか?』
戸は音もなくスルスルと開いた。
旅人はありがたいと中に入ったんじゃが、しんと静まりかえった屋敷の中は誰もおらんようじゃった。
『すみません。上がらせてもらいます』と、旅人はもう一度声をかけ、恐るおそる屋敷に一歩踏み込んだ。
雨はいよいよ本格的に降り出し、ゴロゴロと雷まで鳴り出した。
家人のいない屋敷を勝手うろうろするのは泥棒のする事と考えた旅人は屋敷に一歩踏み込んだ所で持っていた食べ物で空腹を満たし、持っていた敷物に包まってゴロリと横になり眠る事にした。
サイト“へのへののもへじ/紳士と熟女のための挿絵のある童話”より、文章のみ(少々修正を加え)お引越ししました♪




