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The Beginning
プロローグ:飽くなき生き物たち
プロローグ:飽くなき生き物たち
この世界では、力が事態の行方を決める。
弱者たちの命は、決定を下す者たちの一存に掛かっている。
強者はその特権の座に就き、弱者は次は自分が犠牲になるのではないかと怯えながら生きる。
子供の命運が生まれたその日に決まる社会。
日本は、この現実の先駆者として屹立していた。
強い男たちは、己が種族の多くを戦いへと導く。
勝利しようが敗北しようが、彼らは称えられる。
強者が権力を握る社会。
しかし、力の向こう側にも力は存在し、鎖の頂点に座って万物を指揮し決定する者たちさえいる。
そして彼らでさえ、影に生きる者たちを恐れている。
影の住人たちは、制御不能で、己が欲望に従い、飼い慣らされることを拒む。
権力の座の頂点に誰が着くかを決める力を持つ者たちの物語。
そこには、強大な力を示し続け、強者すら導く豊かな血筋がいる。
その血そのものが支配を命じ、たとえ弱く生まれた者でも、その血を引くだけで統治できるという定め。
しかし、それはただの伝説だった。
ある少年が生まれるまでは。
その名は、魁斗




