九死に一生
「ねえ貴方、正体を隠しながらの生活なんて嫌じゃない?息苦しくない?見つかったら死ぬ、親も友人も居ない…頼れる人なんてどこにも居ない…でも同じ世界から来た私達と一緒なら正体を隠さなくていい…ねえ?一緒に来ない…?」
確かにそれは魅力的な提案だ。だがその方法は犠牲や血を伴う。そんな方法で認められても嬉しくない…ただ虚しくなるだけ…
「まあ貴方に拒否権なんてないんだけどね?。」
そう言うと顎から手を離し、魔女が横に回ると、以前見た別の場所に通じてる扉が姿を表していた。
「さあ行きましょう?私達の楽園を作りにいく為に…」
そう言うと、体が1人でに動き出し扉に向かっていく。どう体を動かそうとしても叫ぼうとしても体はいうことを聞かずにその扉に歩いていく。そうして扉を潜る…寸前
「水よ、灼熱に抗え、ウォータークラフト」
そのな声が聞こえたと同時に扉と先ほどの魔女が水の柱の様な物で貫かれ、10メートル先に吹き飛んでいった。
それと同時に体の主導権が戻ってきたと同時にとっくに消えていたと思っていた恐怖の感情が湧き上がっていくと同時に流しちゃいけない物が流れながら無気力に倒れ、そのまま意識が暗転した。
「……よ…神に選ばれし者よ…どうか…この世界に再び光を……」
「うわぁ!?……っはぁ…っはぁ…っはぁ…」
「起きましたか、この指は何本に見えます?」
「ゆ、指は3本です…っはぁ…水はどこですか…」
「いいですか?貴方は魔女教に連れて行かれそうな所だったんですよ、覚えてますか?」
「はい…あの後どうなったんですか?」
「あの後は授業中だった先生方が奇襲で魔女に深傷を負わせて撤退させました。あと1秒でも遅かったら…一体何があったのか覚えていますか?」
(もし覚えている全てのものを言えばバレるだろうか…ここは一部覚えてない事にしよう。)
「いや…連れて行かれそうになったという事は覚えてるんですが…詳細は覚えてません…」
「そうですか…とにかくしばらく安静に。あと傷は無かったそうなので明日退院出来るそうです。それではまた明日。」
そうして1人になった秋葉は見学も兼ねて病院内を見渡す事にした。
病室から出て見て分かったことだが、全体的に真っ白で清潔感溢れており、現代日本の病院の電子機器類を全て省いて紙でやりとりしている様な印象だった。
翌日
怪我などがほとんどなかった為即退院することが出来た。そしてまだ7時30分なのでこのまま登校する事にした。
「おはよう…あれ?アキハちゃんもう退院したの?」
「はい、特に外傷はなかったので…?」
よく考えて見たらおかしい、人や鉄が一瞬で蒸発する熱を発している人間が至近距離まで来ていたのにどうして火傷すらしていなかったのだ…?
「アキハちゃん?とりあえず職員室まで行こっか、さあ行くよ」
「えあ、はい!」
「いい?入っていいよって言ったら教室に入ってね?それじゃあ」
そう言うと担任は一足先に教室に入った。そうして数十秒後、「入って」と言う声が聞こえた為緊張しながら入っていった。
「し、失礼します!」
「緊張しなくていいからねー、はい、自己紹介を」
「僕の名前はアマギ・アキハ、よろしくお願いします」
そう自己紹介が終わると同時に拍手が飛んで来た。どうやら自己紹介は上手くいった様だ。
「よろしくー」
「よろしくなアキハ」
「よろしくねアキハちゃん」
「秋葉…またよろしくな」
そんな拍手合切のなか、他の人みたいな変なイントネーションではなく、はっきりと日本語で秋葉と呼ばれた。そんな感覚がしたが、緊張と拍手合切によって秋葉には届くことは無かった。
そうして時間が経ちお昼ご飯の時間となった。授業の合間の様な質問攻めにさらされる…ことはなく、静かにお昼ご飯を食べることが出来た。それを疑問に思い仲良くなったクラスメイトに話を聞きに行く事にした。
「あ!アキハも来たじゃん、この新聞見てよ!」
そう言われて渡された魔法新聞では「聖女様が気絶!?一体何が!」と言ったタイトルが書かれていた。
「本日午前6時、未来を司る聖女様が未来予知魔法を使用すると、何か譫言の様なものを口に出した後気絶したと言う。これに対し「体調不良の中敢行した為にこの様なことが起こってしまった。」とコメントしています。また聖女が口にした譫言の様な物が正式に公開されている為この下に書き出します。」
そうして下に目をやると、この様なことが書かれていた。
「日出る国の神の使者がこの世界の闇を照らすだろう。名は…名は…どうしてこの人が!?どうしてこんな奴が!?違う違う違う違う違う違う違う…」
「ね?今回の未来予知は何か変だよね…一体何があったんだろうね?」
「さあ…?まあ聖女様の無事を祈っていましょう。」
「あ!そろそろ授業だし行こう!アキハちゃん!」




