逃げろぉ!!
あれから何時間だったのだろうか…いやこのお腹の空き具合、数日単位で時間が経っていても不思議じゃない…あれから何も見えず、動いてない…いや動けないと言うべきか…何かの話し声が聞こえるが、壁が分厚いのかくぐもった話し声で聞こえにくい…だが「新しい」「ご購入いただき」「ほら、飯だぞ」と言った声が偶に聞こえる。助けを求めて叫ぼうとしたら口に何かが咥えられていて何も言えない。一体ここはどこなんだろうか…
数日後 偶に口の物が外され、何かを食べろと言われて食べる…が味がクソ不味くまるでドッグフードを食べている気分になるが、これ以外貰えない…そしてここがどんな所かが分かった。偶に「奴隷」や「販売」と言う言葉が聞こえる為裏組織の奴隷売買場だろう…とんでもない所に連れてこられた様だ、幸いまだ何もされていない。赤城や明石が心配だが、どうにかして自分だけでも抜け出さなければ…
さらに数日後、おそらく自分が買われるかもしれない、先程から近くにに気配を感じるからだ、先程から「魔女」や「研究」と言った言葉が聞こえる、これからどうなる事か…そんな中、その気配がどんどん近付いて来て目の前まできた。ここならはっきり聞こえるだろう
「お客様、魔女は現在9人居ますがどれをお買いになりますでしょうか?」
「そうだねぇ…誰でもいいけど…全員の目隠しを外してくれないかい?」
そう女性の声で言われると目隠しを外された…俺は女子じゃなく男、なぜはずされるんだ…?そう思っているとまた会話が再開した様だ
2人いて、片方は薄汚い男性、なんか生理的に嫌だ、もう片方は白衣を身に纏う長髪の女性だった。
「ささ、どうでしょうか?こちらの魔女はまs」
「紹介はいい、全員買うわ」
「ぜ、全員ですか!?わ、分かりました、少々おまs」
そう男が言いかけたと同時、近くで爆発音がしたと同時に建物に地震が発生したかの様に揺れ、遠くから叫び声が聞こえる様になった。
「な!?どうしてここが…に、逃げなく」
そんな事を喋りながら男が逃げようとすると、グサリと背中を刀の様な物で刺され、無気力に地面に倒れ、2度と動かなくなった。
そんな光景を見て吐き気がしたが我慢して周りを見渡すと、他の魔女とか呼ばれている者は全員無表情で、死体など見慣れた様だ…そうしていると目の前の女性が何かを唱えると拘束具が解かれ、自由に動ける様になった。
そうして牢屋の様なところから出ると、目の前に扉の様な物が出て来ており、女性は「さあ、入って」と急かす様に喋り、他の人は全員入って行った。
「君もこっちに」
そう言われ入ろうとした矢先…爆発音と共に部屋が煙に包まれ、女性は焦った顔で扉を閉じて部屋には自分1人だけとなった。
どうやら部屋には誰も入って来ていない様だ。その隙に部屋から飛び出し、別の部屋に入った。
部屋に入ると同時に炎の何かがそばを掠めていったのと同時に正面に4人が姿を現した。その姿はまるでアニメに出てくる様な服装で剣や杖などを持っていた。
「待て!!彼女は奴隷だ!敵じゃない、嬢ちゃん大丈夫か?」
「え、あっはい、大丈夫です」
警察や特殊部隊だと思っていたが、銃どころか杖を持っている変な奴ら…予想は残念ながら当たっていた様だ…。
「どうした?ぼーっとして、あ!自己紹介がまだだったな、俺はケイン、このパーティのリーダーをしている」
「俺はレジン、このパーティのタンクだ、よろしく」
「僕はアスター、このパーティの遠距離アタッカーだ、よろしく」
「私はチェイリ、ヒーラーです、よろしくお願いします」
そう言われて確信した。ここは異世界だと…それとついでに女性になっている事も
「ぼ、僕わ…えーっとぉ…」
「なんだ?記憶喪失か?まあこんな場所だ、無理もない」
記憶はある、だがこの人達を完全に信用が出来ない。隠しておいた方がいいだろう。
なんとなくケインが見ている方向を見ると、死体や餓死したのだろう人だった物が大量に散らばっていた。
「うぅ…っはぁ…ハァハァハァ…」
「大丈夫?今魔法を掛けたから吐き気は治るはずよ」
「ありがとうございます…」
「とりあえず俺らの部隊はここから出るから着いて来い、安全は保証する」
そうケインが言うと、隣にいたアスターが小声でケインに話しかけ始めたが、ここでの生活のおかげかぎりぎり聞くことが出来た。
「ねえ、この子が魔女だったら危険よ?他の部隊の増援を呼んでから出ましょう」
「いや、微かにだが炎の匂いがする、火災が起きていると見て早く移動した方がいい」
そんな事を小声で言い合っている間にどんどん熱くなっている感じがして、その方向のドアを開けると、火災でボロボロになっており、直ぐにでも抜け出さなければ危険だと本能でわかる。
「な!?急いで出るぞ!着いて来い!」
そう叫ぶと同時に壁をぶち抜き真っ直ぐに突き進むと言う脳筋戦法で無事に脱出に成功したのだった。




