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魔王を倒した元勇者、元の世界には戻れないと今さら言われたので、王国を捨てて好き勝手にスローライフします!  作者: あけちともあき
スローライフ四年目

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第389話 準備を終えるのだ!

 俺率いるゴーレムたちが料理を仕上げていく。

 全てがイノシシを使った豚丼である。

 丼一つで片付くからな。


 地球では好き嫌いが分かれたが、ソースカツ丼のように野菜は肉と米の間に敷いてある。

 ここに勇者村特製ソースをたっぷり掛けるわけだ。


 まだ、油を潤沢に使った揚げ物というのは難しいので、炒め物で勘弁していただきたい。


『村長、葉野菜を刻み終わりました!』

『こちらはピクルスの準備が完了です!』

『米が炊けました!』

『器ピカピカにしてあります!』

『ヤカンにお茶を入れてあります!』


「完璧じゃないかお前ら! いつもは適当な感じでセリフを分割しているのに! 今回はまるで全員が別個の人格を持っているみたいに的確な動きをしている!」


『我々、こう見えて実はお互いの心が全く分からないのですよ』


「えっ!!」


 俺は心底驚いたぞ。

 こいつら、一心同体みたいなゴーレムだと思っていた。


『セリフをつなげていたのは、あれは空気を読みながらつなげていくゲームみたいな……』


 ゴーレム1がろくろを回している。

 なんて人間的なゴーレムなんだ。


「あっ、それどころじゃねえや。肉が冷める!」


 丼をゴーレム4が用意し、そこにゴーレム3が米を盛る。

 そしてゴーレム1が葉野菜を敷き詰め、俺が炒めた肉を乗せる。

 さらにゴーレム2がピクルスを添え、最後に俺は肉汁で作っていたソースを上から掛ける……。


「よしよしよし! 今すぐ作業しているみんなに届けるぞ!」


『やってやりましょう!』


 食堂に人数分の丼を並べる。

 ちびっこはちびっこ丼だ。


 そして、鐘を鳴らす!

 ガランガラン、と勇者村に鐘の音が響き渡った。

 すると、腹ぺこになった村人たちがあちこちから顔を出すのだ。


「昼飯だ!」


「村長お手製ね!」


「おなかへったー!」


 みんな、やっていた仕事を放り出して集まってくる。

 仕事は腹を膨らませてからまたやればいいのだ。

 固執してみんなで食事をするタイミングを逃す必要はない。


「では! いただきます!」


 俺が声をかけると、みんなは一斉に食べ始めた。

 ゴーレム5が彼らの間を回り、よく冷えたお茶をヤカンからカップに注ぐ。


 みんなパクパクと食べている。

 さぞ腹が減っていたのであろう。


 新郎二人と新婦二人も、自分たちの式のための準備で必死だったようだ。

 丼飯とお茶があっという間に無くなった。


 しばし、昼のまったり時間である。

 食休みは大切だというのが勇者村の教えだ。


 外はザアザアと雨が降り始めている。

 雨季だからな。


 だが、雨はいつまでも続かない。

 食休みついでに、お喋りや昼寝をしていると……。

 そら、止んできた。


「美味しかったよ、村長! 器はあっちに持っていけばいいのかい?」


 パメラに声を掛けられて、俺は「そのままでいいぞ」と応じる。

 アイテムボクースがあるから、持ち運びは問題ないのだ。

 みんなには式の準備に全力を使ってもらいたい。


 肉丼でパワーを補充した仲間たちは、わあわあと掛け声を上げながら作業を再開している。

 そんな大人たちを見ていたちびっこチーム。


 揃って、大工仕事やお裁縫を見学しているようである。

 そしてマドカを先頭に、俺のところまで走ってきた。


「おとたん!!」


「うん、マドカはどっちが遊びたいんだい? お裁縫かな?」


「まおね! みんなとね! トンカントンカンって!」


「大工仕事かー!」


 こんなこともあろうかと、積み木をたくさん用意してある。


「気をつけて遊ぶんだぞ、未来の大工たちよ……」


「ありあとー!」


「まおのぱぱありがとー!」


 うんうん、礼儀正しいちびっこたちだ。

 俺が食堂のテーブルと椅子をどかしてやると、彼らはそこでタワーを作り始めた。


「なんでお裁縫を見に行かなかったの?」


 近くに転がってきた積み木を拾いに、サーラが近くにやってきた。

 なので、彼女に聞いてみる。


「んーと。おさいほうはね、ちくちくってゆっくりしてるから、みてるとねちゃうの」


「なーるほど」


 大工の方が動きがあるし、男たちが声を掛け合っているので退屈しなかったようだ。

 これを午前中見学していたちびさんたちは、自分たちも大工仕事をやってみたくなったというわけである。


 次世代は大・大工時代が始まるのかもしれないな……。


 後片付けを終えた後、夕食まではまだ余裕がある。

 昼はスピーディーな丼にしたが、夜はガッツリとバーベキューにしてやろうと考えている。

 無論、焼くのもサーブするのも俺。


 仕事で疲れた村人たちは、上げ膳据え膳で食べることに集中してもらうのだ。

 しかし、イノシシ肉は昼に使ってしまったし……。

 同じ肉でもいいのだが……。


 ホロロッホー鳥は今のところは食べていいところまで育ってない時期だし、トリマルとも打ち合わせせねばだし……。


「よし、ちょっと狩りに行ってくるか」


 そう言う事になった。

 俺が立ち上がったことに気付いたマドカ。

 トテトテトテっと走ってくると、ぴょーんと飛び上がった。


「まおもいーく!」


「マドカも狩りについてくるのかー。じゃあ優しーく狩りをしないとなー」


「やったー! じゃー、まおいってくるねー!」


 マドカが手をふると、ちびっこたちも元気に手を振り返すのであった。

 こうして、マドカと二人、水入らずで狩りに励むのである。


 なお、熱帯雨林でよく分からないモンスターを狩ったのだ。

 うごめく触手の怪物なのだが、毒がなかったことだけは確認した。


 味は、こう……。

 陸生生物なのに、タコとかイカみたいな味がした。


「おいしーね!」


 味見をしたマドカに好評なので、まあいいか!

 こうして準備はつつがなく終わり、ダブル結婚式がやって来るのである。


準備もまた、イベントの醍醐味。


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[一言] こうして、新たな味が開拓されていく・・・
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