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お届け便  作者: フクフク
本編
3/23

3




「うまっ!! ウサギの肉って、こんなにも美味かったのか」

 

 危険を冒しても森の奥に入ったのは正解だった。もう少し行動範囲を広げてもいいかも。それにしてもこの肉は美味い! 絶妙な塩加減が素晴らしい!

 料理の腕が上がったのかも、貴重な塩を使ったかいがあったと、頬いっぱいにウサギの肉を詰め、素早くたいらげていく。緊張感がないように見えるが、常に木の棒を意識し、周囲を警戒していた。


「薬草類をもう少し採取して、拠点に帰るか。その前にこれをチャージして、チャージはできるよな?」


 綺麗に解体されたウサギの皮を手に掴み『チャージする』と念じると、ウサギの皮が消え、機械音が聞こえた。


『3ポイント、チャージしました』


「おっ! 意外にポイントが高い。肉も美味いし、明日からはウサギを狩るか」


 ウサギの皮のポイント率に満足し、皮の横にあった小さな石を拾い上げる。

 魔石と鑑定されたそれは、チャージ、合成可能とあった。ポイントは欲しいが、合成が気になった。直感は大事にしているので、チャージはせず腰にある袋へ入れる。


 ザッ――。

 木陰の奥で何かが動いた気配を察知し、すぐさま木の棒を構える。

 額には汗が浮かび、緊張した空気が流れる。


 ザッ、ザザザッ――。 

 一呼吸して、木の棒を下ろした。敵は逃げたようだ。

 解体した際にでた血の匂いが、魔物たちを引き寄せているようだ。

 すぐにその場を立つことにする。

 4日前と同一人物には、思えないほどの行動と決断力、順応力の高さに苦笑いをした。


 泣き叫んだあの日、何も考えずに緑の玉を飲みこんだ。

 精神崩壊寸前だったからできた行動でもあった。

 すぐに効き目があり、さきほどの心情が嘘みたいに精神が落ち着き、冷静になれたのだ。これほどまでに、なぜ精神が荒れだしたのか理解できなかったが、その理由も後で判明することになる。

 俺は、すぐに糸口である白い玉を飲みこみ、俺の能力の説明を求めた。

 すると頭に情報が入ってくる。

 俺の能力は、固有スキル『お届け便』で、ポイントの対価として、欲しいものが届く能力のようだ。

 ポイントのチャージ方法は、複数あり、中でも自動的に付与される生存ポイントが気になった。一日生存していれば、ポイントが10付与されるのだ。

 初期段階で俺に付与されていたポイントは、18300だった。

 俺は25歳なので、単純計算すれば約9万ポイント以上を所持しているはずだが、数字から読み取る限り、生存場所の過酷さで反映する数値が変わるようだ。この世界は、俺がいた地球よりも5倍近く生存が難しい場所だと判断する。

 詳細を確認したいが、これ以上の説明を求めるには、鑑定レベルが足りないようだった。

 白い玉は、鑑定の能力を取得できるスキル玉だったのだ。

 続いて、この場所の説明を求めた。

 考えていた通り、直径1キロの安全地帯(セーフエリア)であった。

 ほっと安心するも、通常よりも(・・・・・)精神、肉体への負荷が軽減するとの説明が引っかかる。わざわざ強調している点がおかしいと思い、鑑定を試みた。

 全ての情報は開示できなかったが、俺なりの見解を述べる。

 この世界は、レベルに依存しているようだ。

 例えば、生命維持に必要な食を一定時間抜いた場合、精神や肉体に負荷がかかる。

 レベルや能力により、一定時間の割合や負荷の度合いが違うのだ。まさに弱肉強食の世界である。

 あくまでも現時点では予想にすぎないが、ほぼ見解通りだと思われる。


 俺の鑑定能力が低いため、開示される情報も少ない。

 ステータスたるものもあるにはあるが、いまの段階では、あまり意味を持たない。

 まあ、モチベーションの向上には、役立っている。

「ステータスオープン」



 【 名 前 】 レン・タカハシ

 【 年 齢 】 25

 【 レベル 】 4

 【 スキル 】 鑑定E、棒術F、料理F、解体D、気配察知F

 【固有スキル】 お届け便

 【 状 態 】 正常



 料理レベルが、G→Fへ上がっていた。 

 ウサギの肉に、塩をかけて焼いただけで、レベルが上がった。

 なんてちょろいんだ。

 初めての食材に味を加えたことが、レベルアップのポイントだったのだろう。

 とはいっても、初心者に毛が生えた程度なんだろうな。

 おそらく、ここからが本番で、中々上がらないとみている。

 食事は精神負荷がかからないよう、三食きっちりと食べることにした。

 美味しい料理を所望して、料理のスキル玉を出したのは、記憶に新しい。

 もちろん他のスキルも、全てスキル玉から取得した。

 努力をすれば、スキルの取得は可能らしいが、俺には便利な能力があるので、それを活用しただけだ。

 決して怠慢したわけではない。


 ステータスの分類は他にもあるが、いまの俺の鑑定レベルでは、表示されない。

 例えば、体力や魔力などの値も、鑑定レベルを上げれば見ることはできるらしい。

 上位のスキル玉を獲得するか、熟練度を上げることで、レベルが上がるようだ。


 精神、肉体への負荷の影響があるのは、自身のレベルで、これが高ければ高いほど、生命維持に必要な行動をとらなくても影響はでずらくなる。

 どれぐらいの高さで、一食抜けるのかは、わからないが、俺がこの世界にきた時は、レベル1だった。

 安全地帯(セーフエリア)を離れると、すぐに精神状態が不安定になったが、レベル3に上がったあたりから三食で安定した。

 幼児から子供ぐらいには、ランクアップしたかと思われる。

 まだまだ不明点は多いが、『はじまりの場所』を拠点に、日本へ帰還することを目標として、充実な拠点ライフを目指すのだ。






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