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人の世の闇の底に潜む魑魅魍魎の悪しき血を浄める市川彦麿呂を人は陰陽師と呼ぶ。
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この作品は長編になります。
宜しくお願い致します。
カビ臭い匂いとネズミの死骸が散乱して異臭を放っている地下室。
『ボリッ』
と湿った音が奥の方から微かに響いてくる。
目を凝らすと奥の方に半分腐食している扉があった。
湿った音は、その中から聞こえてきていた。
暫くすると扉が、
『ギィギィ…』
耳障りな音を部屋に反響させながら開いた。
中から、“ぬぅ”と現れたのは女であった。
この部屋には場違いのファッション。
深紅のドレス。
真っ赤なルージュ。
灰色の帽子から、金髪が覘いている。
灰色のコートを肩に掛けている。
年の頃は20代後半だろうか?
この女は素足であった。
何故だろう……。
この女から狂気の香りが漂っていた。
この女と同じ空間に存在するだけで、発狂するのでは……。
そんな危惧を抱かせる女が、
『ニッ』
と不自然な笑みを浮かべた。
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