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短編集共

元お嬢様女子校に通う事になりました

作者: 資笑


「ごきげんよう、宮津さん」


「うん、また明日」





俺、宮津 大月(みやつ たいが)は大型連休もあけ、多少は慣れてきたクラスメートに挨拶を返し、見送り、こっそりため息をつく。


「お疲れですか?」


「5月病」


隣の席の渡瀬 縁(わたらせ ゆかり)がそれを見て声をかけてきた。

同じ中学からの外部受験でこの栄華院(えいかいん)で唯一軽口を叩ける貴重な存在だ。

幼馴染みとも言う。


……なのにこの学校でも見劣りしない家柄の娘さんなのは中学時代前から、みんなに不思議がられていた。


「……ここじゃ、斬新な単語ですね」


この学校の生徒は幼い頃からの純粋培養により、5月病何て発想はないらしい、ついでに美容品等にも幼少から触れてるせいか女子のレベルも高い、適当に数十人集めて歌と躍りをさせれば、なんたら48とかで売れそうなくらい。


「世間から隔離されすぎだろ」


「だからこその外部受験と共学化なんじゃないですか?」


「外部受験は前からだろうに……」


「無駄にハードル高いですから」


「今年の外部合格者3人だもんな」


因みに、もう一人の合格者と縁はしっかり上流階級の人間だ。一般市民は俺だけらしい……


進学する前のクラスメートなら、ごきげんよう、なんて挨拶『はいはい、ごきごき~』とかふざけて返せたんがこの学校では流石に無理だわ。




「よかったじゃないですか、超倍率の勝者ですよ」


「……入学する気があったらな」













去年の夏、縁ともう一人の幼馴染と受験する学校の話をしていた時のことだった。



「お、栄華院が共学化に伴い、男子生徒の受け入れ開始だって」


もう一人の幼馴染の桐生 正樹(きりゅう まさき)が学校紹介のパンフレットを見て反応する。


栄華院って……小学校から大学まで一貫の超お嬢様高だったよな?


「行きたいのか?」


「面白そうではあるよな?待遇も良さそうだし」


「待遇って……学生ですよね?」


「ほら」


縁の呆れた反応に正樹がパンフレットを差し出す。


「男子生徒受入に伴う経過措置について?」


つまり、今年の男子は実験台だから、多少は優遇するってことか……


入学金・学費免除、修学旅行等積立学校負担、購買・学食無料、部活・研究会創設優遇etc.


確かに厚待遇だな、モルモットだけど……ところでetc.って.取るだけで意味変わりそうじゃない?


「な?」


「特待生みたいなものか?」


「定員は若干名としか書いてありませんが倍率高そうですね」


「まあな、でも話のタネに記念受験も悪くないだろ?」


「そうですね」


「んなもんかな?」


とか、そういう流れで受験することになった


















3月


正樹と縁は国内最難関の進学校を含め多数の学校に合格。

たいして俺はと言うと……


「全滅だ……」


おかしい、安全圏な学校だって受けてたし、模試も第一志望A判定だったし(余談だが何故か念のため通っていた塾から返金の申し出があったらしい)


「だ、大丈夫です、中卒でもちゃんと養いますから」


「おう、ウチの姉の婿なら学歴関係ないぜ?義兄(アニキ)


「「は?」」


的外れな慰めをしたと思ったら、にらみ合う幼馴染ども。


「馬鹿言ってんな、二次募集がまだある」


「「あ」」


そして、その日に栄華院の合格通知が届く。

正直受けたの忘れてた……(男子は先行して10月に試験があったし……)


「なんで清燈館(せいとうかん)受かって栄華院落ちてんの?ナニマティ高校なの?」


「いや、栄華院だけ受かってるほうがおかしいよな?」


「「「……」」」


尊宅ってやつじゃないよな?因みに清燈館は偏差値70後半とか言う国内最難関の進学校である。


「高校浪人か……」


「いや、入学しましょうよ!?また同級生ですね」


「えー?取るの?」


「ナニを!?一応共学になったからな」


「取ったらうちで冷凍保存ですからね」


「「……」」


にっこりと言い切る大病院経営一族のご令嬢、頭おかしい













「まさか、男子の合格者が俺だけとは思わなかったわ」


枠が1つだけだから他の学校を落として選択肢を消したとか勘ぐってしまう。


わりと大変だった、唯一の男子ってことで入学式に挨拶したり、生徒会に勧誘されたり、着付けとか訳のわからない授業に困惑したり、学食のレベルにドン引きしたり、先輩だった正樹の姉の天音さんに絡まれたり……


「よほど、審査が厳しかったんでしょう」


「……正樹がおちるくらいだからな」


財閥の御曹司で成績優秀、運動神経抜群、生徒会長で高コミュ力のイケメンとかお約束スペックのヤツが落ちるとか……モテ力を警戒されて落とされたんかな?


「まさき?」


「おい」


幼馴染みだよな?


「冗談です」


「……帰るか」


「久しぶりにカラオケでもいきませんか?」


「して良いんだっけ?」


「そういう発想がないから禁止もされてないみたいですね」


「バイトとかもか?」


「そっちは実家の商談とかの関係で禁止はできないかと」


「ああ……」







と、幼馴染みと実りない会話をしながら放課後を過ごしていく。





まさか、今年のうちに球技大会で無双してる幼馴染みを止めるために見学と審判だけのハズなのに相手チームに入って暴れるはめになったり、幼馴染みの誕生日用に編んでたマフラーを求めてオークションが開催されて馬鹿みたいな金額がついたり(いくら物欲しそうな顔をされたからってこの学校で気軽に一万円からとか言ってはいけないようです、はい)、放課後のスペースを確保するために適当な部活を作ったら入部希望者が殺到したり、生徒会長の両親に挨拶にいくことになったりすることになるとは思わなかった。




どうでもいいボツネタ



入学式の挨拶にて



「では、男子の新入生、宮津大月君に挨拶をしていただきます」


やめて下さい。


縁さん、ファイト、とか要らないです。


とか、思いながら壇上にたどり着く。


どうしよう、ちょっとふざけてみようかな?


深呼吸をする


「はじめまして、大好きです!!」


マイクに向かって最初の挨拶をかましてみた









卒倒者が出るなど、地獄絵図になりました。


免疫無さすぎでしょ……ああ、だから男子募集したのか……



まさか、親にも土下座するはめになるとは……










婚約者が26人許嫁が16人交渉中多数


どうしてこうなった


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― 新着の感想 ―
[一言] 資笑先生が書く短編好きなので、続きお願いします。
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