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真珠星  作者: 夢乃マ男
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擬似ライブ

例年通り誕生日に一番近い握手会で生誕祭は行われた。

生誕祭実行委員会の皆さまに差し入れをして顔を明かす。


学生さんかと思っていました!

意外とおじさんなんですね!などいろいろ失礼な事も言われた気がするが社会人らしく、冗談を交え自己紹介をする。


いつもは絶対にしない自分らしくない行動をとる。SNS上でこそやりとりはあったがオフ会に参加しない自分が顔を明かしオフ会に参加したのだ。


おそらくこの例年通りの生誕祭ではなにも未来が変わらないであろうことをなんとなくわかっていたからだ。


オフ会の参加にみんな快く承諾してくれた。

なんとも言えぬ高揚感をみんなが常連になっている居酒屋で得ることができた。

最初こそ持ち前の人見知りを発揮しなかなか喋れずにいたが、好きな話題ばかりなのと沈黙を誤魔化す為に飲み続けていたアルコールの力で次第に自然と話せるようになっていた。


なんでこんな楽しい場に今まで参加しなかったのか少し後悔すら覚えた。


しかし、今日この場に参加したのはこの場を楽しむ事が目的ではなかった。

お酒の力は借りはしたが計画を皆に伝える。


本当の誕生日に擬似ライブを行おう!

本家のライブ会場のような大きな会場は抑えられないが隣接する小さな市営球場を借りて、ライブ映像を流して擬似ライブで球場を青と白のペンライトで染めてはしゃごうと。


お酒の勢いもあり、その場にいた全員が賛同しさすがの実行委員、すぐに会場を抑えて瞬く間にSNSで拡散されていく。


この場にいるみんなが秋田憂が大好きなのだ。

もしみんなにあの小説を見せたらどうなるのだろうか。いや、今はそんな事は考えずみんなが楽しめる状況をみんなと作って行こう。


本当かわからない未来予知でみんなを悲しませる、そんな無責任な行動は自分にはできない。


飲み会は明け方まで続いた。

どんどん拡散されていく中俳優の一流さんが


楽しそうなイベント発見!


と拡散してくれたのでかなりの人数が期待できる。


飛び降り自殺するビルの特定こそできなかったが、秋田憂があの球場を見下ろせる場所にいるならば、擬似ライブの球場の様子にも気づいてくれるはず。

見下ろせる程高い場所に行く必要がないのであればそれにこしたことはないのだが。


あの小説が全くのでたらめ、誰も悲しむ事のない未来があることをただひたすらに願う。

しかし万が一を考えてできることを実行していく。

こんなことで何が変わるかわからないが。

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