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真珠星  作者: 夢乃マ男
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学生とアイドル

アイドル好きな学生。

アイドルオタクの学生。


もはやそれほど差別的な時代ではないのが幸いだった。誰しもが何かのオタクと言って良いだろう。海外ではプロフェッショナルって意味合いをオタクと呼ぶ事があるとか聞いたことがある。


その分野の知識に特化しているとか、好きが転じて職業になっていると僕は認識している。


例えば、子供が好きだから保育士になる。車が好きだから整備士になる。アイドルが好きだからアイドルになる。スポーツが好きだからスポーツ選手になる。


趣味を仕事にする事の良し悪しや、才能、収入目的での仕事の選び方とかいろいろあるが、結果その分野に特化した人間はプロでありオタクであると思う。


そんな中、学生はアイドルにハマりやすい。

大多数のアイドルグループのデビュー当初なんてほとんどが同年代。

そこに憧れ、尊敬を抱いたり、周りにいる同年代の異性と比べたら絶対的に外見は優っている。


同年代、同級生ってたぶん大人になっても言い続けると思う。現に僕の父親も、名前こそ知らないがテレビドラマで良く見かける名脇役が出てくる度に

「父ちゃん、こいつと同い年なんだけどこいつ老けねぇなぁ」

だいぶ薄くなった頭を擦りながら発泡酒片手に少し嬉しそうに口にする。


今まで意識したことなかったがもしかしたら将来自分に家族ができた時、卒業発表したあの娘がテレビの世界で活き続けていたら同じ言葉を発するかもしれない。と、あの娘の今後を考えながら自分の将来を考えてしまう。


そして、学校内と言うのはそんな心理状況では至るところにトラップが仕掛けられている。


自転車、制服のスカート、黒板、運動部、窓際その他もろもろのアイテム。学生の神器と言っても過言ではないアイテムが至るところで目に付く。

学生の神器なのだから当たり前。


デビュー当時のアイドルグループの歌詞なんて、そんな学生時代の神器があちこちに散りばめられている。

そして、そのアイテムが目に入る度に脳内で勝手に曲が再生するのだ。


自然と涙が浮かび冷静になろうと授業に真剣になる。黒板に目を向けると大人が何かを語ってる。


大人から見たら、アイドルはどうなのだろう。

歌詞に既視感を覚え学生時代を思い出したり、こんな青春過ごしたかった!とかなるのか、それとも僕にはまだ理解できないが、好みの娘に親目線からのエールを送るのか、、、


そんな事ばかり考えながら、窓から差し込む眩しすぎる斜光と風に踊らされてるカーテンが何かの演出みたいで、これがミュージック・ビデオだったら僕絶対いい表情してる!って思ってる最中お昼休みのチャイムが鳴る。


僕の午前中はアイドルに踊らされた。

昼休み、憂鬱だ。おそらくあの心理カウンセラーが僕のとこに問診に訪れるのだから。

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