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真珠星  作者: 夢乃マ男
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私のセンパイ

今日は朝からひたすらセンパイとリハーサルをしている。


無事三次審査を突破して、最終オーディションに勝ち進んでしまったからだ。

もしこのまま受かってしまったら?

ここまで残ったのに落ちるなんて!


そんな未来への感情で私のメンタルなんてもはやズタズタでぐちゃぐちゃで感情の板挟みすら超えて豆腐メンタルなんてまだまだかわいいわ。と卓越しつつ開きなおったとんでもない域に達している。

受かりたいような、受かりたくないような。なんてそんな軽い言葉では表現できない。そんな気持ちを更に1つ押し上げたのがセンパイの言葉。


「あの日、初めて参加したライブであまり知りもしないのに、秋田憂ってアイドルに魅せられて熱も冷めぬままに、新メンバーオーディション。知り合いが勝手に送って最終審査まで残る。そぉ、そんな出来すぎたエピソード。それは運命なんだよ。運命だなんて言ったら大袈裟で他人に敷かれたレールの上を生きてるみたいで嫌だとしたらね、それはただのきっかけ。貴女が本当に嫌だったら逃げられるんだから。どこかでそれを望んでいたんじゃない?だから人のせいにしながらもここまで来れたの。これから先は自分の選択、たったそれだけなんだから」


まるでカウンセラーだか、カリスマ教祖様かのように私はその言葉を鵜呑みにした。

「私、秋田憂さんと同じグループに、入りたい!アイドルになりたい」

と何故だか涙と一緒にその言葉が出た。


そこからはセンパイは受かる為のプロデュースをしてくれている最中である。

朝モーニングメニューをやっていたファストフード店ももはや夕刻。朝日が眩しかったのは遠い昔で今は夕日に目を細くされている。


初期のキャラ付けは危険だ!


オーディションにそんなコがいたならそのコの逆を生き続けろ!対比で印象に残る!


二葉ちゃんなら素材の純粋さで残るかもしれないから何も用意しないでいいかも!思った事、感じた事をそのまま伝えなさい!


むしろ、最終オーディション全員合格でそのまま記者発表もありうるわ。


なんにも、準備しないで行きなさい!!



結果、アドバイスはありのままの姿みせるの!


で煮詰まった。ってか、頭打ちなのだろう。

なんだその道徳観カンストみたいなキャラを私につけやがって、雪の城の女王みたいな事をおっしゃる。


しかし、センパイはカウンセラー、プロデューサーでもへんな教祖様でもなく、預言者だった。


最終オーディションとは出まかせも良いところで


全員、合格!


と言い放たれてそのまま新メンバー発表会見と銘打たれ、記者たちの前でサラケモノにされた気分だ。


私は今この時、憧れの秋田憂ちゃん、いや、秋田憂さんの正式な後輩になったのだった。


しかし、その裏で憂センパイは、ブログにて休養を取ると発表したのであった。

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